E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

2016年04月

【ESC2016】アルバニア:テレビで大活躍のママさんタレント登場



ユーロビジョン2016アルバニア代表は、Eneda Tarifaの「Fairytale」に決まりました。

どうしても「Fairytale」と聴くと、2009年の優勝曲が頭をよぎってしまいますが、この曲はその名の通り幻想的な雰囲気が漂うミディアムバラードナンバーに仕上がっています。

サビに挿入されるきらびやかな音のアクセントや、ブリッジ部分のコーラスなど、どことなくオリエンタルな雰囲気が感じられるのもこの曲の特徴です。なお、元々この楽曲はアルバニア語で発表されたのですが、今回のユーロビジョンに合わせて歌詞を英語に変更しています。


〈Eneda Tarifaのプロフィール〉
Eneda Tarifaは1982年にアルバニアの首都ティラナで生まれました。

6歳の頃から様々な場所で歌を披露してきたという彼女が本格的な歌手活動を始めたのは2003年のこと。ユーロビジョンの国内予選も兼ねているアルバニアの歴史ある音楽祭Festivali i Këngësへの出場がきっかけでした。この時彼女は予選を通過し決勝まで残りましたが、優勝は逃してしまいます。

以後、様々な音楽イベントやチャリティイベントに出演し、経験と実力をつけてきた彼女は、2010年に転機を迎えることになりました。アルバニアの民放テレビ局TOP Channelの音楽祭TOP Festで優勝したのです。
 
Eneda TarifaMe veten(マイセルフ)」 TOP Fest 2010より) 

この大会での優勝をきっかけに、彼女の知名度はアルバニアで高くなり、TOP Channelで毎週日曜日の夜に放送しているバラエティ番組「Portokalli」の司会を務めたり、自身がディレクターとなりコメディドラマの制作を手掛けるなど、テレビでの仕事を多くこなすこととなりました。

Dren Abazi & Eneda TarifaTi dhe une(あなたと私)」 Portokalliより)


現在も、3歳になる娘を育てながら歌にテレビに引っ張りだこな毎日を送っているEneda。昨年末に開かれたFestivali i Këngësに再び挑戦することになりました。
 
Eneda TarifaPërrallë(おとぎ話)」ライブパフォーマンス Festivali i Këngës2015より)

デビューから数えて3度目の挑戦で、彼女は見事優勝をつかみとり、ユーロビジョン2016アルバニア代表に就くことになりました。


アルバニアの人気女性タレントとして大活躍中のEneda Tarifaは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。アルバニアが昨年に続き2年連続で決勝進出を果たすことができるのかにも注目です。


参考:ESC公式、Wikipedia"Eneda Tarifa"、YouTube TOP Channel公式チャンネル

【ESC2016】イギリス:久々の国内予選で選ばれたのは…?



ユーロビジョン2016イギリス代表は、Joe & Jakeの「You're Not Alone」に決まりました。

これぞ王道と言っても良い位のUKポップサウンドに彩られ、とてもキャッチーな一曲に仕上がっているこの楽曲は、BBCでユーロビジョンのコメンテーターを務めているGraham Norton氏も太鼓判を押すほど。疾走感のあるテンポで聴き心地の良い一曲となっています。


〈Joe & Jakeのプロフィール〉
Joe & Jakeは、ウェールズ出身のJoe Woolfordと、イングランド中部スタッフォードシャー出身で、14歳の頃からギターを弾き始めたJake Shakeshaftの二人組ユニットです。

出身だけを見ると何の接点もないように思えますが、二人はある番組への出演をきっかけに意気投合し、ユニットを結成することになったのです。その番組とは、2015年にBBCで放送されたイギリス版The VOICEでした。
まずは、二人のブラインドオーディションの様子を見てみましょう。
 
Joe WoolfordLights」Ellie Gouldingカバー The VOICE UKより)

 
Jake ShakeshaftThinking Out Loud」Ed Sheeranカバー The VOICE UK)

二人とも3人の審査員を振り向かせることに成功したJoeとJake。その後JoeはRita Oraのチームに、Jakeはwill.i.amのチームにそれぞれ加わり、次のステージに進出しました。

その後、二人はバトルステージでも勝ち上がっていきましたが、決勝ステージまで進出したのはJoeのみ。しかしJoeも決勝ラウンド二回戦で敗退となってしまい、共に優勝することはできませんでした。


しかし、この番組への出演をきっかけに二人は意気投合。チームは別々でしたが、音楽の趣味のみならず、サッカーやペリペリチキンも大好きという共通項もあったようで、番組出演後、二人はユーロビジョン2016の国内予選に出場するために、ユニットJoe & Jakeを結成しました。
 
Joe & JakeYou're Not Alone」ライブパフォーマンス Eurovision: You Decideより) 

二人はこの国内予選で見事優勝し、ユーロビジョン2016イギリス代表の座を射止めました。なお、今回イギリスで6年ぶりに開催されたこの国内予選では、審査員投票は設けられず、100%視聴者投票により決められました。


昨年の優勝者Måns Zelmerlöwのパフォーマンスを研究していたという話もあるくらい、二人はユーロビジョンが大好きな様子。そんな仲の良い二人Joe & Jakeのライブパフォーマンスは、現地時間5/14に開かれる決勝で見ることができるほか、5/12に開かれる準決勝2日目でもお披露目される予定です。

参考:ESC公式、Wikipedia"Joe and Jake"、BBC公式 

【ESC2016】ベラルーシ:全裸でステージパフォーマンス!? 実力派ロックシンガー登場



ユーロビジョン2016ベラルーシ代表は、IVANの「Help You Fly」に決まりました。

どこか80年代の香りが漂うデジタルサウンドを取り入れたミディアムロックナンバーに仕上がっているこの楽曲は、ユーロビジョン2012ロシア代表Buranovskiye Babushki(ブラノヴォ村のおばあちゃん)の「Perty For Everybody」を手がけた作曲家Victor Drobyshにより制作されたものです。
 
Buranovskiye BabushkiPerty For Everybody」 ユーロビジョン2012決勝より)


〈IVANのプロフィール〉
IVAN(本名:Alexander Ivanov)は1994年にベラルーシ南東部にある街ゴメリに生まれました。

父親や兄弟がミュージシャンとして活動している影響もあり、IVANは8歳の頃から音楽学校に通いギターを学び始めました。音楽学校に通う中で、一時はプロのギタリストになる夢を見ていたというIVANですが、その夢を諦め、ロックシンガーへ転向することになります。

2009年、彼はMass Medium Festというロックフェスティバルに参加し、本格的な音楽活動を開始します。
ロシアのサンクトペテルブルグに活動拠点を移すなど、ベラルーシから出た音楽活動も行う中、2014年にウクライナのヤルタで開催された音楽コンクール5 Starsで優勝したほか、2015年にはロシア版Xファクター「Main Stage」にも出場し、決勝まで残る好成績を残しています。
 
(IVAN 「Main Stage」決勝の模様) 

着実にロックシンガーとしての実力をつけてきたIVANは、2015年にロシアのソチで開催予定のインタービジョン・ソング・コンテスト(ロシアや中国、中央アジア諸国など上海協力機構加盟国やCISが中心になって参加するソングコンテスト)ロシア代表として選ばれましたが、この大会は無期限の休止となったため、IVANの声が世界にお披露目される日は遠ざかってしまいました。


そして2016年。IVANは故郷ベラルーシの国内予選で優勝したことを受け、ユーロビジョン2016ベラルーシ代表として、晴れて国際的なステージに立つこととなりました。


さて。今回のIVANのステージは、二匹の狼(本物!)を登場させ、一糸まとわぬ姿でパフォーマンスを行うという噂も出てきています…
 
(YouTube IVAN公式チャンネルより)

現在のユーロビジョンの規定では、人間以外の生きている動物がステージに登ることや、裸やそれに近い状態でパフォーマンスを行うことは禁止されているため、この計画が実行されるかは不透明ですが、彼の実力ならば、余計なパフォーマンスがなくても決勝に進めること間違いなしなのではないでしょうか? 

IVANの注目のステージは、現地時間5/12の準決勝2日目で披露されます。
お見逃しなくっ


参考:ESC公式、Wikipedia"Иванов, Александр Викторович(ロシア語)"、YouTube Alexander Ivanov公式チャンネル 

【ESC2016】ノルウェー:期待を裏切る驚きの構成! テンポ揺さぶる3分間



ユーロビジョン2016ノルウェー代表は、Agneteの「Icebreaker」に決まりました。

トランスの導入部分を思わせる冒頭から徐々に盛り上がりを見せて、このままサビに突入するかと思いきや、大幅にテンポを落としてロックバラードのようなサビが展開されるという、まるで二つの違う曲を一つにつなげたような驚きの楽曲構成になっています。

導入部で緊張感をもたせ、サビでテンポダウンさせて開放感を演出することで、音楽そのもので「Icebreak」を表現していて、とても面白い一曲に仕上がっています。


〈Agneteのプロフィール〉
Agnete(本名:Agnete Kristin Johnsen)は1994年にノルウェー最北端フィンマルク県のネッセビーで生まれました。
この地は先住民族サーミ人が住むラップランドの一地域としても知られており、Agneteもサーミの血を引いています。なお、Agneteの父親はサーミ語の研究を行う児童文学家として知られている方だそうです。

14歳の頃、Agneteは学校の同級生たちとThe BlackSheepsというロックバンドを結成し、音楽の世界に飛び込んでいきました。そんな彼女たちは、結成した2008年に、ノルウェーの青少年向け音楽コンテストMGPjrに出場することに…
 
The BlackSheepsOro jaska, beana(静かにして、ワンちゃん)」 MGPjr2008より)

結成した年に挑んだ大会でThe BlackSheepsは見事優勝。その後北欧版ジュニアユーロビジョンMGP Nordic 2008にも出場し、こちらでも優勝するという快挙を成し遂げました。

その後メンバーチェンジを経て、The Blacksheepsは2011年にMGP本選にも挑戦しました。
 
The BlackSheepsDance Tonight」 MGP2011準決勝より)

決勝まで残った彼女たちでしたが、結果は惜しくも2位。優勝の座をStella Mwangiに譲ることとなってしまいました。

ノルウェーで人気を誇るロックバンドの一つとして成長したThe BlackSheepsでしたが、その後は印税の未払い問題やバンド名の使用権問題など、法的論争が絶えなくなったため、活動ができない状況に追い込まれてしまいました。

2013年、Agneteは音楽サバイバル番組「Stjernekamp」第2シーズンに出場し、ソロ活動を始めました。
 
AgneteSuper Bass」Nicki Minajカバー Stjernekamp第2シーズンより) 

この番組では惜しくも決勝で2位となり、優勝の座を逃してしまいましたが、ノルウェー版「Dansin' With The Stars」への出場やリアリティ番組への出演など、活躍の幅を徐々に広げていき、さらなる人気を呼ぶこととなりました。


そして、2016年。彼女はソロシンガーとして、再びMGPに挑戦しました。
 
AgneteIcebreaker」 MGP2016より) 

決選投票まで残った彼女は、視聴者投票で2位にダブルスコアの大差をつけて優勝。念願のユーロビジョン本選でのノルウェー代表の座を獲得しました。


独特の楽曲構成が印象的な「Icebreaker」を歌うAgneteは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式(1)(2)、Wikipedia"Agnete Johnsen","The BlackSheeps" 、MGP公式

【ESC2016】セルビア:ユーゴ圏を代表するミクスチャーバンドのボーカリスト登場



ユーロビジョン2016セルビア代表は、Sanja Vučićの「Goodbye (Shelter)」に決まりました。

昨年に続き全編英語詞によるエントリーとなった今作は、強い決意を持って別れることを誓う力強いバラードナンバーとなっています。

なお、この歌にはセルビア語で歌われたバージョンもあり、こちらも聴き応えある仕上がりになっています。


〈Sanja Vučićのプロフィール〉
Sanja Vučićは1993年に、セルビア中部の街クルシェヴァツで生まれました。
父も母も歌手として働く家に生まれたSanjaは、小さい頃から両親に民謡の歌い方など、音楽を教えてもらっていたそうです。

Aretha Franklinやビヨンセのようなソウルフルな歌声を手に入れたかったという彼女は音楽学校に進学し、歌唱力に磨きをかけていきましたが、彼女の学びは音楽学校だけに留まりませんでした。街のジャズバンドにボーカリストとして参加したり、フォークミュージックのバンドに参加したり、聖歌隊のメンバーに加わったり、様々な音楽畑に積極的に飛び込んでいくことで、貪欲に様々な歌唱スタイルを吸収していったのです。

様々な音楽スタイルを吸収する傍ら、Sanjaは様々な言語も習得していきました。英語、イタリア語、スペイン語を流暢に話せるほか、音楽学校を卒業した後に入学したUniversity of Belgrade Faculty of Philologyではアラビア語も学んでいったそうです。

大学でアラビア語を学んでいた2012年のこと、彼女はクルシェヴァツで結成されたミクスチャーバンドZAAのボーカルとして合流することになり、本格的な音楽活動を始めました。
 
ZAA’99 Hope」)

旧ユーゴ圏のみならず、オーストリアやチェコ、ハンガリーなどで合わせて200回以上の公演を行うなど、精力的な音楽活動を行っているZAA。スカをベースにジャズやダブステップ、ポストロックなど様々なジャンルをミックスしたスタイルは、様々な音楽畑で歌声を鍛えていったSanjaにピッタリなバンドと言えるかもしれません。


2016年、セルビアの放送局RTSはSanjaをソロボーカリストとしてユーロビジョン2016に送り出すことを決定しました。
 
Sanja VučićIza osmeha(「Goodbye (Shelter)」セルビア語版)」) 


マルチスタイル・マルチリンガルな歌手Sanja Vučićは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に登場します。
パワフルなステージ、見逃せません。


参考:ESC公式、Wikipedia”Sanja Vučić”、RTS公式(PDF)、ESC Today"Serbia: Sanja Vučić unveils Goodbye
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