E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

2017年03月

【ESC2017】アゼルバイジャン:バクーのエレクトロミュージックの歌姫登場


ユーロビジョン2017アゼルバイジャン代表は、Dihajの「Skeletons」に決まりました。

重ためのビートが特徴的なこの楽曲は、歌詞に「skeleton(骸骨)」や「lung(肺)」といった生々しい単語を用いながら、生身に自分を愛してほしいと願う人の思いを描いたパワーバラードとなっています。

作曲は、ユーロビジョン2011の優勝曲「Running Scared」を歌った男性シンガーEldar Gasimovなどへの楽曲提供を行っているほか、アゼルバイジャンのデジタル音楽レーベルBMF Recordsを開設したIsa Melikovが担当し、作詞はユーロビジョン2010アゼルバイジャン代表曲「Drip Drop」や、2011代表曲「Running Scared」のプロデュースにも関わっているスウェーデン人プロデューサーSandra Bjurmanが担当しています。
過去の代表曲を手掛けた面々がバックについているのは、かなり心強いですよね。


〈Dihajのプロフィール〉
Dihaj(Diana Hajiyeva / Diana Hacıyeva)は1989年6月に、アゼルバイジャンの首都バクーで生まれました。
幼い頃から音楽に興味を持ちはじめ、ピアノとジャズ音楽を学んでいたDianaは、Baku Music Academyで合唱指揮を専攻し、より深く音楽を学んでいきました。

2010年にBaku Music Academyを卒業した後、彼女は拠点をイギリスのロンドンに移し、プログレッシブ・トランスのユニットLooper & Mancusのゲストボーカリストを務めるなど、インディーズでの音楽活動を中心に行ってきました。

LOOPer & Mancus feat. DiHajFor You (Original Mix)」)


Diana HajiyevaFever」Madonnaカバー)

2014年、Dianaはアゼルバイジャンに戻り、エレクトロユニットDihajを結成し、国内での本格的な音楽活動を開始。翌2015年にはジョージアの音楽祭Caucasian Music Awards Phoenixで最優秀新人賞を受賞します。

Dihaj Feat. Isfar SarabskyI Break Again」)

シングルのリリースや、各地への音楽祭への出演など精力的な活動を行ってきたDihajは、2017年、アゼルバイジャンの放送局ictimai TVの内部選考により、ユーロビジョン2017アゼルバイジャン代表に決まりました。

実は、Dianaのユーロビジョンへの挑戦は今回が初めてではありません。
Baku Music Academyを卒業して間もない2010年に、ユーロビジョン2011アゼルバイジャン代表決定予選に出場していたのです。

Diana HajiyevaSweet People」Alyoshaカバー)

残念ながら、彼女はこの予選で優勝できず、代表の座を逃してしまいましたが、5年後の2016年にはアゼルバイジャン代表Samraのボーカルコーチを担当し、リハーサルでバックボーカルを務めるなど、ユーロビジョンの舞台裏で活躍していたそうです。

SamraMiracle」 ユーロビジョン2016決勝より)


今回ついに表舞台に立つこととなったDihajは、現地時間5/9に開かれるユーロビジョン2017準決勝1日目に出場します。
実は一児の母でもあるママさんシンガーの活躍に、大いに期待したいところです。


参考:ESC公式、Wikipedia"Diana Hajiyeva(英語 / アゼルバイジャン語)"、Wiwibloggs"AZERBAIJAN: DIHAJ — A.K.A. DIANA HAJIYEVA — WILL SING AT EUROVISION 2017","“SKELETONS” LYRICS — DIHAJ (AZERBAIJAN, EUROVISION 2017)"、ESC Today"Azerbaijan: Diana Hajiyeva to Kyiv for Eurovision 2017!"、EurovisionBelgiumYouTube動画

準決勝プログラム順発表!

〈準決勝1日目・2日目出場順発表〉
EBUとユーロビジョン2017の放送を担当するウクライナの放送局UA:PBCは、現地時間5/9と5/11に開催されるユーロビジョン2017準決勝のプログラムを発表しました。出場順は前回と同様に、番組プロデューサーやユーロビジョンの代表団による話し合いにより決定されたものです。

それでは、プログラム順を見てみましょう。


〈準決勝1日目〉
 1.スウェーデン
 2.ジョージア
 3.オーストラリア
 4.アルバニア
 5.ベルギー
 6.モンテネグロ
 7.フォンランド
 8.アゼルバイジャン
 9.ポルトガル
 10.ギリシャ
 11.ポーランド
 12.モルドバ
 13.アイスランド
 14.チェコ
 15.キプロス
 16.アルメニア
 17.スロベニア
 18.ラトビア

トップバッターはまさかのスウェーデンです。準決勝1日目の頭からおおいに盛り上げてくれるに違いありません。
準決勝1日目には18カ国が出場しますが、この中から決勝に進めるのは10カ国のみです。熾烈な争いが予想されます。


〈準決勝2日目〉
 1.セルビア
 2.オーストリア
 3.ロシア
 4.マケドニア
 5.マルタ
 6.ルーマニア
 7.オランダ
 8.ハンガリー
 9.デンマーク
 10.アイルランド
 11.サンマリノ
 12.クロアチア
 13.ノルウェー
 14.スイス
 15.ベラルーシ
 16.ブルガリア
 17.リトアニア
 18.エストニア
 19.イスラエル

19カ国が出場する準決勝2日目。出場の可否が注目されているロシアは3番目の登場予定となっています。
準決勝1日目より1カ国多い中で決勝進出への闘いが行われる準決勝2日目。さらに厳しい戦いが予想されますが、ヨーデルとヒップホップが融合した楽曲を披露するルーマニアや、声色を巧みに使い分けたバラードを披露するクロアチアなど、聞き所満点のプログラムになっています。


いずれの準決勝も、決勝に進出できるのは10カ国のみ。
皆さんの推しの国やアーティスト達は無事決勝に進むことができるでしょうか?
お見逃しなくっ


参考:ESC公式

【ESC2017】オーストリア:サラブレッドな新人シンガー登場


ユーロビジョン2017オーストリア代表はNathan Trentの「Running On Air」に決まりました。

ミドルテンポで、走るというよりも歩く時に聴くとぴったりリズムが合うこの楽曲には、「誰に邪魔をされても自分を信じて走り抜く」という強い意志が込められた、人生の応援歌のような内容の歌詞が綴られています。

一歩一歩をしっかり踏み込んでいるようなリズムが特徴のこの楽曲は、Nathan自身が作詞作曲を手がけています。


〈Nathan Trentのプロフィール〉
Nathan Trent(本名:Nathanaele Koll)は1992年4月にオーストリアのチロル州インスブルックで生まれました。

イタリア人の母親と、オーストリア人でヴァイオリニストの父親のもとに生まれ、ドイツ語とイタリア語を操るバイリンガルボーイとして育った彼は、3歳の頃からピアノやヴァイオリンの個人レッスンを受け、幼い頃からインスブルックのティロル州立劇場でパフォーマンスを披露するなど、早くから音楽の才能を開花させていました。

クラシック畑でずっと育っているように見える彼ですが、2003年にはオーストリアの子供向け音楽オーディション番組Kiddy Contestに出場し、歌とダンスを披露しています。

Nathanaele Koll(Nathan Trent) 「Fußball」 Kiddy Contest2003より)

矯正中の歯に幼さを感じますが(笑)、実はこの頃から既に作詞作曲も始めていたというNathan。
この音楽番組以外にも、オーストリアやドイツの様々なオーディション番組に出演し実力を蓄えながら勉学にも励み、2016年にウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学を卒業します。

卒業後、彼はNathan Trentという芸名で、シングル「Like it is」をリリースし、メジャーデビューしました。

Nathan TrentLike it is」)

そして2017年。Nathanはユーロビジョン出場のため、デモテープをオーストリアの放送局ORFに送り、内部選考の結果ユーロビジョン2017オーストリア代表に決まりました。
(実はこの時、彼はドイツのユーロビジョン国内予選Unser Song 2017にも出場登録されていたのですが、ORFでの内部選考決定により、参加を辞退しています。)


オーストリアのみならず、ドイツでも活動を広げるNathan Trentは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。
楽曲がミディアムテンポなので、彼が得意とするダンスは披露されないと思いますが、昨年メジャーデビューしたばかりとは思えないくらいに堂々としたライブパフォーマンスが期待できそうです。


参考:ESC公式、ARD""Unser Song"-Kandidat Nathan startet für Österreich"、Wikipedia"Nathan Trent"、ESC Today"Germany: 33 artists continue their Unser Song 2017 bid"

【ESC2017】ハンガリー:音楽のサムライ Joci Pápai

 
ユーロビジョン2017ハンガリー代表は、Joci Pápaiの「Origo(起源)」に決まりました。

オリエンタルな雰囲気漂うこの楽曲は、音楽を武器に、ときに差別や偏見と戦いながら成長していったJoci自身の半生を、ロマ音楽独特の節回しやラップを駆使して描き、民俗音楽とポップスの融合を試みた一曲です。

ここ数年、ハンガリー代表は社会問題を扱うシリアスな楽曲が選ばれる傾向にありますが、今回の楽曲も例に漏れず、かつ、ユーロビジョン2017のスローガンである「Celebrate Diversity」にも沿った内容に仕上がっています。


〈Joci Pápaiのプロフィール〉
Joci Pápai(Pápai Joci / József Pápai)は1981年9月にハンガリーの首都ブダペストから西へ約70km程に位置する街タタで生まれました。

(タタに佇むJoci)

大きなジプシー楽団を率いていた父親や、ギターを弾いていた兄の影響もあって、彼は4歳の頃からギターを手にし、演奏や作曲を行うようになったそうです。バスケットボールでも早くから頭角を現していたというJociですが、バスケの道ではなく、音楽の道を歩んでいくことを選びます。

「Origo」の歌詞にある通り、ギター一本で勝負をしてきたJociは、2005年にハンガリー版アメアイMegasztárに出場し、アーティストへの一歩を踏み出しました。この番組では結果を残すことは出来ませんでしたが、この年に発売したデビュー曲「Ne nézz így rám(俺を見るな)」がハンガリーのシングルチャートでヒットを飛ばし、注目をあつめることになります。

Joci PápaiNe nézz így rám」)

2005年のデビュー以降、Jociはソロ活動のみならず、ハンガリーのラッパーMajka等と組んで活動し、歌手としての地位を確立していきました。

Majka & Joci PápaiMikor a test örexik」)

2017年、Jociは自身の半生を綴った楽曲「Origo」でハンガリーの国内予選A Dal2017に出場します。
この楽曲は、Jociがメジャーデビュー後に発表してきたヒップホップやR&Bテイストの楽曲とは異なり、自身の音楽の起源であるロマ音楽を強く打ち出したものになっており、ステージパフォーマンスも、ロマの衣装やダンスで印象づけたものとなっています。

Joci PápaiOrigo」 A Dal2017より)

魂のこもったパフォーマンスで審査員や聴衆を魅了したJociは、この国内予選で優勝し、ユーロビジョン2017ハンガリー代表の座を獲得しました。


ユーロビジョン2017ハンガリー代表Joci Pápaiは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Joci Pápai"


〈ロマ音楽とは…?〉
ヨーロッパの音楽を語る上で切っても切り離せないのがロマ音楽です。

ロマとは、北インド(ラジャスタン地方)に起源を持つ移動型の民族で、旅先で音楽や大道芸を披露して収入を得ていることで知られています(かつては「ジプシー」とも呼ばれていました)。
北インドが起源となると、「Origo」の曲調がなんとなくインドの音楽のように聞こえたり、ダンサーの服の鮮やかさがインドの衣装に似ているように見えるのも納得ですよね。

そんなロマの方々は、西暦1000年以前からラジャスタン地方を離れ、イランやアルメニア、中近東を経てヨーロッパにも進出し、各地の伝統音楽にも強い影響を残していくことになります。
トルコのベリーダンスやハンガリーで生まれた舞曲チャールダーシュ、スペインのフラメンコ、そしてロマン派のクラシック音楽まで、即興的で時に情熱的、時に繊細なロマ音楽がヨーロッパの様々な人々を魅了し、広く受け入れられていきました…

Vittorio Monti作曲 「チャールダーシュ」 演奏:József Lendvay & Friends)


見た目や風習の違いから、ときに差別を受けながらも、音楽を通してヨーロッパ文化の一部となったロマの人々とロマ音楽。ユーロビジョンにも、そんなロマ音楽のレジェンドが出場していました。

Esma & LozanoPred Da Se Razdeni」 ユーロビジョン2013準決勝より)

2013年にマケドニア代表として出場したEsmaは、現代のロマ音楽を語る上で欠かせないミュージシャンで、マケドニアや旧ユーゴ圏において「ジプシー音楽の生きる伝説」とまで言われる地位を確立しました。

500を超える作品を世に送り出し、精力的なアーティスト活動を続けながら、43人の子供の里親になったり、数々の慈善活動で広く社会貢献も行ってきたEsmaですが、2016年12月にお亡くなりになりました。この場を借りてご冥福をお祈りいたします。

ヨーロッパに根付いたロマの文化やレジェンド達に思いを馳せながら、Jociのライブパフォーマンスを見ると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんね。


参考:Wikipedia"ロマ音楽"、Plankton"GYPSY MUSIC 千年にわたる流浪の民ジプシーの旅"

【ESC2017】ポルトガル:古き良きユーロビジョンの香り漂うシャンソンナンバー


ユーロビジョン2017ポルトガル代表は、Salvador Sobralの「Amar Pelos Dois(二人の愛)」に決まりました。

別れた恋人への忘れえぬ想いを歌ったこのバラードナンバー。Salvadorの語りかけるような優しい歌声と、それを包み込むようなピアノとストリングスのハーモニーが印象的で、ポルトガル語が分からなくても、切ない気持ちや、恋人に向けた優しい思いが伝わってきます。
古き良きシャンソンの香りもどこか漂っていて、シャンソン全盛期の頃のユーロビジョンにタイムスリップしたような気分も味わえるのではないかと思います。

この楽曲を手掛けたのは、彼の姉でシンガー・ソングライターのLuísa Sobralです。この楽曲について彼女は、「この曲を書いた時、彼(Salvador)の声が常に心のなかにあった」と語っており、自身が歌うものではなく、はじめからSalvadorに楽曲提供するために描き上げた曲であることを明かしています。


〈Salvador Sobralのプロフィール〉
Salvador Sobral(Salvador Vilar Braamcamp Sobral)は1989年にポルトガルの首都リスボンで生まれました。

リスボンの応用心理学研究所(Instituto Superior de Psicologia Aplicada)で心理学を学んでいた彼は、2009年、ポルトガル版アメアイIdolos第3シーズンに出場します。

(Idolos第3シーズン オーディションより)

オーディションでスティーヴィー・ワンダーの「Isn't She Lovely」を披露し、見事合格した彼は、その後のステージも順調に進んでいき、決勝ラウンドまで勝ち進んでいきました。

Salvador Sobral 「Sunday Morning」Maroon5カバー Idolos第3シーズンより)

決勝ラウンドに残った彼ですが、優勝の座を掴むことは出来ず、7位で終了してしまいます。
(ちなみに、姉もIdolos(第1シーズン)に出場していましたが、3位で終了しています。)

Idolosへの出場後、彼はメジャーデビューはせず、心理学の研究に進んでいくこととなったのですが、音楽への夢を捨てきれず、再び歌手としての夢を追うことになりました。

Salvadorは歌手を目指すべく、アメリカやスペインのバルセロナなど海外で音楽の勉強を行いながら、ジャズやボサノヴァなど様々なジャンルの音楽に触れ、音楽祭への出場や様々なアーティストとのセッションなどを通して実力をつけていきました。

Salvador Sobral and Leo AldreyAfter you've gone」Ella Fitzgeraldカバー)

Idolosの出場から7年後の2016年、Salvadorはポルトガルでファーストアルバム「Excuse Me」をリリースし、メジャーデビューを果たしました。

Salvador SobralExcuse Me」)

姉のLuísaのみならず、ベネズエラの作曲家Leonardo Aldreyからも楽曲提供を受けている他、ジャズやブラジル音楽など様々なジャンルにも挑んだこのアルバムは、ポルトガルのアルバムチャートで最高10位を獲得し、話題となりました。

そして2017年。彼はポルトガルで1年ぶりに開催されたユーロビジョン国内予選Festival da Cançãoに出場し、優勝。ユーロビジョン2017ポルトガル代表の座を獲得しました。


一部メディアで重病説が流れ、出場が危ぶまれているという噂も聞かれていた彼ですが、3/24に開催されたOGAEポルトガルのプレビューイベントで元気な姿を見せ、噂を一蹴。姉のギター伴奏によるライブパフォーマンスも披露しています。

Salvador Sobral Amar Pelos Dois」 OGAEポルトガル プレビューイベントより)


ユーロビジョン2017ポルトガル代表Salvador Sobralは、現地時間5/9に開かれる準決勝1日目に出場します。ポルトガル悲願の決勝進出に期待がかかっているライブパフォーマンスは必見です。


参考:ESC公式"About Salvador Sobral","Salvador Sobral has love enough for Portugal and Europe!"、Wiwibloggs"“AMAR PELOS DOIS” LYRICS — SALVADOR SOBRAL (PORTUGAL, EUROVISION 2017)","PORTUGAL’S SALVADOR SOBRAL: “EVERY PERSON WITH A TINY BIT OF SENSITIVITY WILL FEEL IT”"、Oikotimes"Portugal 2017: Salvador Sobral will not be seen until Kyiv but health is not the issue"、Wikipedia"Salvador Sobral"
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