ユーロビジョン2016フランス代表は、Amirの「J’ai cherché(直訳で「私が探していた」)」に決まりました。

キャッチーなメロディーと浮遊感のあるコーラスが印象的なポップチューンで、フランスでは主要ラジオ局でのオンエア後、人気が上昇しているのだそうです。
フレンチポップではありますが、サビに英語を用いて口ずさみやすくなっているのもポイントです。

フランスはドイツ、イギリス、イタリア、スペインと共に決勝へのシード権を持つBig5の一員として毎年参加しているものの、毎年上位に食い込んでいるイタリアに比べ、成績がいまいち振るわないのが気になる所(曲は良いんですけどね…)

今年はキャッチーな一曲で念願の上位に食い込むことができるのでしょうか…?


〈Amirのプロフィール〉
Amir Haddad(本名:Laurent Amir Khlifa Khedider Haddad)は1984年に、フランス・パリの郊外にある街サルセルで生まれました。

チュニジア人とモロッコ系スペイン人の両親の元に生まれたAmir。両親ともにユダヤ教徒で、8歳の頃にイスラエルのテルアビブの北に位置する町ヘルツリーヤに移住します。子供の頃からステージに立つことを夢見ていたというAmirは、シナゴーグや町のイベントなどで歌声を披露しいたのだそうです。

2006年には、イスラエル版アメアイ「Kokhav Nolad」に出場しますが、優勝を勝ち取ることなく敗退。その後は兵役のためイスラエル国防軍に入隊、さらにヘブライ大学に進学し歯科学を学ぶなど、歌から離れた進路を進んでいくこととなります。

しかし、歯科医への道を歩む中でもAmirの歌への情熱は決して消えることはありませんでした。「Kokhav Nolad」に出場した後、彼はフランスのレコード会社と契約を結び、歌手活動も始めていたのです。2011年には、ヘブライ語によるデビュー・アルバムも制作。この時Amirはまだ大学生でした。

大学を卒業し歯科医となったAmirは、29歳にして再びプロシンガーへの道を進む事となります。
そのきっかけとなったのが、2014年に放送されたフランスのオーディション番組「The VOICE of France」シーズン3への出場でした。

AmirAll Of Me(John Legendのカバー)」 The VOICE of Franceシーズン3決勝より)

名物のブラインドオーディションやバトルステージを勝ち進んだAmirは決勝まで勝ち残ります。
しかし結果は惜しくも3位。優勝は逃してしまったものの、「Kokhav Nolad」に出場した時よりも大きな結果を残すこととなりました。

その後、Amirはフランスの名立たるアーティストたちが参加するコンピレーションアルバム「Forever Gentleman vol.2」の収録に参加、翌2015年にはAmir名義のファーストシングル「Oasis」をリリースし、プロシンガーとしての道を生まれ故郷のフランスで歩むこととなりました。

AmirOasis」)

少し遠回りしながらも、小さい頃からの夢だった歌手への道を志し、オーディション番組への出場をきっかけに本格的な活動を始めたAmirは、2016年フランスのテレビ局France2の内部選考の結果、ユーロビジョンフランス代表として出場することが決まりました。

来月には代表曲「J’ai cherché」や「Oasis」が収録されたアルバムもリリースされるAmirは、現地時間5/14に開かれる決勝に出場します。

また、5/10の準決勝1日目でもパフォーマンスが披露される予定なので、ぜひチェックしてみてください。


参考:ESC公式、Wikipedia"Amir Haddad"、EurovisionIreland”FRANCE: 10 things you didn’t know about Amir – ‘The Singing Dentist’”