ユーロビジョン2017ジョージア代表は、Tamara Gachechiladzeの「Keep The Faith」に決まりました。

「その道を諦めろと誰に言われたの? 夢を盗まれることを許さないで」と、信念を貫いて生き抜くことを力強く歌い上げるこの楽曲は、TamaraとAnri Jokhadzeの二人で作り上げたパワーバラードです。

今回Tamaraと共作したAnri Jokhadzeは、ユーロビジョン2012ジョージア代表として出場していた方で、ユーロビジョン・ファンの中には「歌手の名前は忘れていたけど、曲はよく覚えている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

Anri JokhadzeI'm A Joker」 ユーロビジョン2012準決勝2日目より)

ユーロビジョンでコミカルな楽曲を披露していた彼が、今回のようなシリアスな楽曲を手がけていたというのは個人的には意外で、彼の作風の幅広さに驚かされます。


〈Tamara Gachechiladzeのプロフィール〉
Tamara Gachechiladze(またはTako Gachechiladzeとも / თამარა გაჩეჩილაძე)は1983年3月にジョージアの首都トビリシで生まれました。

「とても小さかった時に、『私は歌えるんだ』と気付いたの」と語る彼女は、既に8歳の頃からステージに立って歌声を披露しており、9歳の頃には芸能事務所に所属して、国内外のテレビや音楽祭などで引っ張りだこな日々を送っていたそうです。

高等音楽学校で合唱指揮を学んだTamaraは、学校を卒業後も国際的なジャズフェスティバルや「Slavic Bazaar」等の音楽祭に出演し、ソロシンガーとしての実力を備えていく一方で、2008年からガールズユニット3Gに加入し、活動の幅を広げていきました。

2008年にユーロビジョンのジョージア国内予選に挑んだ彼女ですが、結果は振るわず、翌2009年にStephane & 3Gで国内予選に再挑戦します。

Stephane & 3GWe Don't Wanna Put In」)

「We Don't Wanna Put In」というディスコナンバーで国内予選を突破した彼女たちは、見事ユーロビジョン2009ジョージア代表の座を掴んだのですが、EBUや開催国のロシアから「タイトルと歌詞に政治的なメッセージが含まれている(Put In→プーチン露首相(当時)を想起させるなど)」という理由で歌詞の変更を求められてしまい、これに応じることができなかったために大会出場を断念することとなってしまいました。

ユーロビジョンへの出場は幻となってしまいましたが、その後も彼女はMTV Europeのコンサートへの出演を始め、ヨーロッパ各地を公演で回るなど、精力的な活動を続けてきました。

Tamara GachechiladzeLISTOPAD(листопад / 秋の葉)」)


そして2017年。彼女はソロで再びユーロビジョンの国内予選に挑みました。

Tamara GachechiladzeKeep The Faith」 ユーロビジョン2017ジョージア国内予選より)

決勝で国際審査員(98ポイント)と視聴者(24ポイント)からそれぞれ高い得票を得たTamaraは、総合得点で一位となり優勝。ジョージア代表の座を今度はソロで勝ち取ったのです。


ユーロビジョン2017ジョージア代表Tamara Gachechiladzeは、現地時間5/9に開かれる準決勝1日目に出場します。
2009年に果たせなかった夢を8年越しに叶えた彼女のパフォーマンスに注目です。


参考:ESC公式、Wikipedia"Tamara Gachechiladze","Stephane & 3G","Georgia in the Eurovision Song Contest 2017"、ESCKAZ