E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

出演アーティスト(決勝)

【ESC2015】オーストリア:国内で人気急上昇の3ピースバンド登場



ユーロビジョン2015オーストリア代表はThe Makemakesの「I Am Yours」に決まりました。

「いつだって、どこだって、僕は君のものだよ」とやさしく歌いあげるミディアムバラードナンバーです。 


〈The Makemakesのプロフィール〉
The Makemakesは2012年にオーストリアで結成された3ピースロックバンドです。
メンバーは以下の3人です。

 ・Dominic "Dodo" Muhrer(リードボーカル・キーボード・ギター)
 ・Markus Christ(ベース)
 ・Florian Meindl(ドラム)

このちょっと変わったバンド名「The Makemakes」は、太陽系の準惑星「マケマケ」から取ったものなんだそうです(ちなみに「メケメケ」は、チリのイースター島などでかつて信仰されていた豊穣神の名前です)。 

2012年にシングル「The Lovercall」でデビューした彼らは、さっそくオーストリアのシングルチャートで最高6位を記録する売り上げを打ち出し、幸先のいいスタートを切りました。

The MakemakesThe Lovercall」)

翌2013年には、ウィーンで開催されたボンジョビのライブでオープニングアクトを務め、一躍オーストリア中での知名度をアップさせます。 

2014年にはセカンドシングル「Million Euro Smile」をリリース。
知名度が上がった後のリリースとあって、シングルチャートでは最高2位を記録しました。 
 
The MakemakesMillion Euro Smile」)

2015年、彼らはユーロビジョンのオーストリア国内予選Wer singt für Österreich?に出場。
16組のアーティストがエントリーする中、The Makemakesは「Million Euro Smile」で出場し、見事ファーストステージを突破します。

一気に6組に絞られたセカンドステージでは、オリジナル曲とカバー曲を1曲ずつ披露。
彼らはボブ・マーリーの「I Shot The Sheriff」のカバーを披露しました。
 
The MakemakesI Shot The Sheriff」カバー ユーロビジョン国内予選より)

セカンドステージではアーティストの選考は行われず、全てのアーティストが最終ステージへ進むこととなりましたが、視聴者の人気投票は行われていて、後の最終ステージでThe Makemakesがトップ3に入っていたことが発表されました。

視聴者の人気に後押しされた彼らはその後の決勝で視聴者投票、海外審査員投票でいずれも首位を獲得し、優勝。今年のホスト国オーストリアの代表として、ユーロビジョンのステージに上ることとなったのです。


The Makemakesは、現地時間5/23に開かれる決勝に出場します。
オーストリアで人気急上昇中の3ピースバンドにも、要注目です!


参考:ESC公式、Wikipedia"The Makemakes

【ESC2015】オーストラリア:初代オーストラリアン・アイドル優勝者登場



ユーロビジョン2015オーストラリア代表は、Guy Sebastianの「Tonight Again」に決まりました。
のりやすく口ずさみやすい、シンプルなR&Bナンバーに仕上がっています。

ヨーロッパとオーストラリアをつなぐ架け橋となっているユーロビジョン。
ジョニー・ローガンオリビア・ニュートン=ジョンジーナGなど、実は過去に何組ものオーストラリア出身アーティストが出場してきたユーロビジョンですが、Guy Sebastianは今回初めて、オーストラリア代表としてユーロビジョンの舞台に上がることとなります。


〈オーストラリアとユーロビジョン〉
オーストラリアでは、ABBAが優勝した1974年からユーロビジョンの放送が始まりました。以来、参加国以外でユーロビジョン人気の高い国として知られる事となったオーストラリア。毎年高い視聴率を打ち出しているのだそうです。

2014年にはオーストラリアでの放送開始40週年を記念して、Jessica Mauboyが準決勝2日目のインターバルアクトに招かれ、歌声を披露しました。

 
Jessica MauboySea Of Flags」 ユーロビジョン2014準決勝2日目より)

2015年、ユーロビジョン・ソング・コンテスト誕生60週年を記念して、オーストラリアがゲスト国として招かれる事となりました。オーストラリアは今回初めて本戦に出場、念願の投票にも参加できることになりました。


〈Guy Sebastianのプロフィール〉
Guy Sebastian(本名:Guy Theodore Sebastian)は1981年に、マレーシアのクランで4人兄弟の次男坊として生まれました。父方はタミル系スリランカ人、母方はイギリス系とポルトガル系のハーフという家庭に生まれたGuy。ユーロビジョンの取材によると、「僕はイギリス人で、ポルトガル人で、スコットランド人で、スリランカ人でもあるんだ」と自己紹介しています。

地質学者の父の関係で、6歳の時にオーストラリアへ渡ったGuy。小さい頃から自分の好きな曲をテープに録音して聴くのが好きだったようで、R&Bやファンク、ソウル・ミュージックやジャズ、ダンスミュージックやボリウッド映画のサントラなど、様々なジャンルの音楽を吸収してきたそうです。

ヴァイオリンのレッスンを受けはじめてから、ギターやピアノ、ドラムなど音楽へどんどんと興味を深めていったGuyは14歳の頃から歌い始めます。教会の歌唱隊に入り、時にはコーラスのメンバーで、そして時にはソロで歌い、歌唱力を磨いていったそうです。

そんなGuyが一躍世間の注目を集めるきっかけとなったのが、2003年に放送が始まったオーストラリア版アメアイ「オーストラリアン・アイドル」への出演でした。
 
(Guy Sebastian 「Ribbon In The Sky」カバー オーストラリアン・アイドルシーズン1より)

このオーディションで、「今日のオーディションの中で一番良い声」、「なんてきれいな声なの」など、各審査員から絶賛されたGuyは見事合格。本選でも快進撃を続け、当時の彼のトレードマークだったアフロヘアをつけて応援する人も続出。ついにはオーストラリアン・アイドルの初代優勝者に輝くこととなりました。

その年、世界中の「ポップ・アイドル」の優勝者が集まり、ナンバーワンアイドルを決定する「ワールド・アイドル」にも出場し、辛口審査員のサイモン・コーウェルを唸らすパフォーマンスを披露しました。
 
Guy SebastianWhat A Wonderful World」カバー ワールド・アイドルより)

ちなみにこの「ワールド・アイドル」には、アメリカ代表としてケリー・クラークソンが、イギリス代表としてウィル・ヤングが出演するという、今考えると大変豪華な出演陣で賑わっていたそうです。

オーストラリアン・アイドルでの優勝後、Guyはデビューシングル「Angels Brought Me Here」 をリリースし、全豪シングルチャートやニュージーランドのチャートで一位の記録を打ち出します。


Guy SebastianAngels Brought Me Here」)

その後もGuyの快進撃は続き、これまでリリースした29枚のシングルのうち12枚がトップ10入り(うち6枚がナンバーワン)を記録し、8枚のアルバムはいずれもトップ10入り(うち2枚がナンバーワン)を記録。累計売上枚数300万枚以上を誇り、今ではオーストラリアを代表するトップシンガーの一人として君臨しています。

そんなオーストラリアのトップシンガーは、熱心にチャリティ活動を行っていることでも知られているそうで、病院でのチャリティイベントの開催や、赤十字社やワールド・ビジョンの親善大使としても活動しています。


2008年に結婚し、現在2児のパパでもあるGuy Sebastian。公私ともに充実した毎日を送るオーストラリアのトップアーティストは、現地時間5/23に開かれる決勝に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Guy Sebastian"、Australian-charts.com

【ESC2015】ドイツ:今年もワイルドカード枠から登場



ユーロビジョン2015ドイツ代表は、Ann Sophieの「Black Smoke」に決まりました。
Annは昨年のドイツ代表Elaizaに続き、新人アーティストの登竜門とも言えるワイルドカード枠からの出場となります。

現在24歳の彼女ですが、まだデビュー前(国内予選出場時)とは思えないくらい、堂々とした出で立ちで披露したパフォーマンスが印象的です。

国内予選決勝の決選投票の末、優勝したAndreas Kümmertがユーロビジョンの出場をその場で辞退したことを受け、 繰り上げで代表となった彼女過去記事参照。決まるまでには紆余曲折ありましたが、彼女の実力は確かなものです。


〈Ann Sophieのプロフィール〉
Ann Sophie(本名:Ann Sophie Dürmeyer)は1990年にイギリスのロンドンで生まれました。
両親共にドイツ人だったAnnは、その後ドイツのハンブルクに移住します。

4歳の頃からバレエを習っていたAnnは、クリスティーナ・アギレラやブリトニー・スピアーズに憧れて、歌も好きになっていったそうです。やがてドイツの中等教育を卒業し、アビトゥーア(大学進学に必要な資格試験)に合格した後、アメリカのニューヨークに渡り本格的に歌や芸能を学んでいきます。

ニューヨークでの留学中、昼間はLee Strasberg Theatre and Film Instituteで歌や芸能の勉強に励み、夜はバーやクラブで歌う仕事をこなしていたといいます。とても大変だったとは思いますが、国内予選で披露した彼女の堂々としたパフォーマンスは、ここで培われていたのかもしれませんね。

ハンブルクに戻った後、2013年に自主制作アルバムをリリースしたAnnは、2015年の国内予選決勝の新人アーティスト枠「ワイルドカード」の1席を争う予選に出場することとなりました。

10組のインディーズアーティスト達によって争われた予選でAnnは「Jump The Gun」を披露し、観客や視聴者を魅了しました。
 
Ann SophieJump The Gun」 ドイツ国内予選より) 

この予選を見事通過したAnnは決勝でも強さを発揮。
ワイルドカード枠から見事ドイツ代表の座に登りつめたのです。 


先月メジャーデビューアルバム「Silver Into Gold」をリリースしたばかりのAnn Sophieは、現地時間5/23に開かれる決勝に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Ann Sophie

【ESC2015】フランス:コートダジュールの秋元順子 Lisa Angell登場!



ユーロビジョン2015フランス代表は、Lisa Angellの「N'oubliez Pas(忘れないで)」 に決まりました。

囁くような語り口から、クレシェンドがかかるように力強い歌声へと展開し、歌い上げられるシャンソンナンバーです。
フランス語にはちょっと疎いので、英訳された歌の内容を見てみたのですが、この歌では戦争を通した壮絶なストーリーが語られていました。


ある日のこと。
突然、多くの兵士たちが押し寄せ、破壊しつくされ、誰もいなくなった村に「彼女」は身も心も傷つき立ち尽くす。
「彼女」に残されたのは、涙と位牌だけ。

蘇っていく村の記憶…
「収穫祭」、「馬の香り」、「子どもたちの賑やかな声」、「恋」、「日々の楽しみ」…

全て奪われ、生きる術すら見失った「彼女」は、こう誓ったのです。
たとえ地図からも歴史からも消されても、私はこの村のことを忘れない、と。 


第二次世界大戦終結後、戦勝国も敗戦国も衰えきった中で、「ヨーロッパ中を何とか活気づける事はできないか」との思いで1956年に始まったユーロビジョン・ソング・コンテストは今年で60週年を迎えます。そんな2015年は同時に、第一次世界大戦の開戦から100週年を迎える年でもあります。

アルメニア、ハンガリーと並び、反戦の歌でエントリーするフランス。
ユーロビジョンはとても華やかな歌のお祭りではありますが、今なお止まぬ戦禍と平和に思いを馳せるのも良いかもしれません。


〈Lisa Angellのプロフィール〉
Lisa Angellは1968年にフランスの首都パリで生まれましたが、父方がイタリア系ということもあってが、その後彼女は南フランス(コート・ダジュール)に移り住む事となります。

ラジオのオーディション番組への出演がきっかけになり、Lisaは歌手への道を志すこととなるのですが、なかなか芽が出ない日々が続き、ピアノバー等でで歌う日々が続いていたそうです。

2001年、フランスの音楽プロデューサーDidier Barbelivienの手によりシングル曲「Des Années Après」がリリースされましたが、ファーストアルバムがリリースできたのはなんとその10年後の2011年のこと。実力はあるものの、なかなか日の目を見ない日が続いていたのです。

2013年、彼女がセカンド・アルバムをリリースした年に、公共放送フランス3の音楽番組「Les Chansons D’abord」 にレギュラー出演し始めたことがきっかけとなり、彼女の知名度が上がっていくこととなりました。
 
Lisa AngellMéditerranée(地中海)」 Les Chansons D’abordより)

レコード会社ポリドールと契約後、これまでにLisaは3枚のアルバムをリリースしたほか、2013年にはポルトガルの歌手Tony Carreiraとのデュエットナンバーも発表。歌手としてのキャリアをゆっくりと一歩ずつ、確実に歩んでいったのです。


遅咲きのシンガー、フランスの秋元順子ことLisa Angellは、現地時間5/23に開かれる決勝に登場します。
彼女の繊細かつ力強い歌声を、今なお戦禍に苛まれている人々に思いを馳せながら聴いてみてください。 


参考:ESC公式(12)、Wikipedia"Lisa Angell

【ESC2015】イギリス:バラード祭りの今大会に華を添えるアップテンポナンバー



ユーロビジョン2015イギリス代表は、男女2人組のユニットElectro Velvetの「Still In Love With You」に決まりました。

男女の駆け引きが軽快に行われるこのアップテンポなダンスポップナンバーは、1920年代に流行したスウィング・ジャズを現代風に蘇らせた一曲となっていて、ノスタルジーを感じながらも楽しく聞けるものに仕上がっています。

曲の中盤で男性ボーカルのAlex Larkeが披露するスキャットは、敬愛しているアーティストの一人であるルイ・アームストロングから着想を得たものなんだそうです。 


〈Electro Velvetのプロフィール〉
・Alex Larke
Alex Larkeは1979年に、イギリスの首都ロンドン近郊の田園都市ウェリン・ガーデン・シティで生まれました。

1950年代や60年代の音楽が流れる家に育ったAlexは、自作のラップを作って友達に披露したりするなど、ミュージシャンを夢見る思春期を送っていたそうですが、決定的な出来事が15歳のクリスマスの時に訪れました。CDプレーヤーから流れるオアシスの曲をきいて「自分のやりたいことはギターを弾いたり歌ったり曲を作ることだ」と思い立ったのです。

そこで、1998年辺りからバンドを組んで音楽活動を始めるAlexですが、ミュージシャンとしてなかなか芽が出ず。2007年、そんな彼の元に飛び込んできたのが、「ローリング・ストーンズのトリビュートバンド『The Rollin' Clones』が新たなミック・ジャガー役を探している」との情報。ローリング・ストーンズも大好きだった彼はこの後、The Rollin' Clonesの新メンバーとして加わり、イギリスのみならず世界中をツアーで回ることとなったのです。

 
(The Rollin' Clones)

Alexは現在、The Rollin' Clonesのミック・ジャガー役として活躍する一方で、小学校の教師として教鞭をとったり、ミュージシャンのたまご達に音楽を教えたりする忙しい日々を送っているそうです。


・Bianca Nicholas
Bianca Nicholasは1989年にイギリスの首都ロンドンで生まれました。

難病の嚢胞性線維症を抱えて生まれた彼女は、幼いころは役者になりたいと夢見ていて、5歳の頃から子役として短編映画などに出演していました。1999年には、ハリウッド映画「スリーピー・ホロウ」にも出演していたそうです。

しかし、彼女もAlexと同じく15歳の時に歌手になりたいと志し、音楽の道を歩み始めました。

2008年、BiancaはイギリスiTVで放送されたXファクター第4シーズンのオーディションを受けます。
このオーディションは通らなかったものの、 彼女はインディーズで音楽活動を続けていきました。

2011年には、チャリティイベントでウィル・ヤングと共演し、シングル曲「Hold On To Your Dreams」を披露しました。彼女の歌声は、イギリスのウィリアム王子とヘンリー王子、ケンブリッジの公爵夫人の前でも披露され、話題となったそうです。


Bianca NocholasHold On To Your Dreams」)

彼女のシングル曲「Hold On To Your Dreams」 は、UKチャートトップ100にランクインした他、iTunesストアのボーカルチャートで1位を獲得し、インディーズアーティストとしては異例の記録を打ち出しました。

2014年、BiancaはBBCで放送されたThe VOICE UKにも出演しました。

 
Bianca NicholasOne」カバー The VOICE UKより)

結果はというと… どの審査員も振り向かず。
残念ながら彼女はThe VOICEのオーディションも落ちてしまいました。良い声なのに…


BiancaがThe VOICEに挑戦したこの年、友人だったAlexとElectro Velvetと結成し、楽曲のデモテープをBBCのユーロビジョン内部選考に送りました。その結果、見事二人はイギリス代表に選ばれたのです。 


小学校教師と「ミック・ジャガー」の二足のわらじを履くAlexと、難病と闘いながら歌手の頂点を目指すBianca。
二人の軽快で優雅、そしてちょっとコミカルなライブパフォーマンスは、現地時間5/23に開かれる決勝で披露されます。 


参考:ESC公式、Facebook公式アカウント(”Alex Larke”,”Bianca Nicholas”)、IMDb、Wales Online(1,2
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