E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

ESC2016

E.S.Cheers的 「決勝に進めなかったベストパフォーマンス」3選-2016-

〈16カ国が準決勝敗退〉
昨日、26カ国による素晴らしい競演が繰り広げられたユーロビジョン2016。
優勝候補と目されていたフランスやロシアを押しのけ、ウクライナが2度目の優勝を決め、幕を閉じました…

(ウクライナ代表Jamala優勝決定の瞬間 ユーロビジョン2016より)

しかし!
今年に限らないことではありますが、「なんでこの曲が決勝に進めなかったんだろう」と、準決勝の結果に納得がいかないまま決勝に突入したという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

今年は過去最多タイの42カ国が参加しましたが、参加する国の数が多くなればなるほど、惜しくも敗退してしまう国の数も多くなるものです。今年はなんと16カ国も落選の憂き目に遭ったのです…

そこで今回は、当ブログの独断と偏見で、落選してしまった16カ国の中から、もう一度見たいと思うベストパフォーマンス「落選ベストソング」を3つ選びました。 


[落選ベストソング1]Greta SalómeHear Them Calling
 
(ユーロビジョン2016 準決勝1日目より)

ユーロビジョン2012でも代表を務めたGreta Salómeがソロで披露したこの楽曲。
国内予選で披露されたパフォーマンスをベースに、最新の映像技術を駆使してブラッシュアップを図り、最後まで見応えのあるパフォーマンスを披露してくれました。最後の鳥達が一斉に向かってくるシーンは迫力があり、圧倒されました…

しかし、準決勝1日目でアイスランドは点数が伸びず(51点獲得)、14位についてしまったため、決勝に進むことはできませんでした。少し歌詞がくどく感じられるのがネックだったのかもしれません…


[落選ベストソング2]Dalal & Deen feat. Ana Rucner and JalaLjubav Je
 
(ユーロビジョン2016 準決勝1日目より)

2012年を最後に参加辞退が続いていたボスニア・ヘルツェゴビナ。4年ぶりに復活を果たした今回送り込んだのは、ボスニア国内外の第一線で活躍している4人のアーティストによるスペシャルユニットでした。

ステージ中央に有刺鉄線を張ったステージパフォーマンスは、かつて隣人同志で殺しあわなければならなかった内戦時代を想起させ、心揺さぶられるものがありました… 

準決勝1日目に出場したボスニアは104点を獲得したものの、順位は惜しくも11位。決勝まであと一歩、手が届かなかったという、実に惜しい結果となりました。


[落選ベストソング3]IVANHelp You Fly
 
(ユーロビジョン2016 準決勝2日目より)

開催前から「全裸ステージパフォーマンス」が噂されていたIVAN。今回のステージは、国内予選から大幅にブラッシュアップさせ、3Dホログラムを駆使したユニークなパフォーマンスが展開されました。

しかし、準決勝2日目での点数は84点と振るわず、12位となったため、惜しくも敗退してしまいました。
かなり凝ったステージパフォーマンスが一度きりで終わってしまったのは、なんとも惜しい気がします…


今年のユーロビジョンは参加国数が多かったため、どうしても落選する国が多く出てきてしまいます。落ちてしまったからといって、その楽曲やパフォーマンスが必ずしも優れていなかったとは言い切れないのです。

今回落選してしまった国やアーティストの皆さんには、また挑戦して、高みを目指して頑張って欲しいと思います。そして、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。


参考:ESC公式 

【ESC2016】スウェーデン:人気の秘密は幼少時代にあり!? 元人気キッズシンガー登場



ユーロビジョン2016スウェーデン代表は、Fransの「If I Were Sorry」に決まりました。

「もし僕が悪かったら」と続くこの歌には、「砂漠の中をクロールする」や「肺が持たなくなるまで深くまで潜る」、「くたびれるまで何千キロも走る」など、絶対にできないであろう様々な課題が書かれています。
そして歌の最後「でも僕は悪くないんだ」からも分かるように、歌詞の中では頻繁に「Sorry」が出てくるため、いっぱい謝っているように聞こえるものの、結局は謝っていないというのが、この歌の面白いポイントなのかなと思います。

とても静かな楽曲で、ユーロビジョン向けの楽曲とは言い切れない部分もありますが、小さいころに友達と喧嘩した時のようなしょっぱい思い出がふと湧き上がってくる、味のある一曲に仕上がっています。


〈Fransのプロフィール〉
Frans(本名:Frans Jeppsson Wall)は1998年に、スウェーデン南部の街イースタッドで生まれました。

彼の音楽キャリアはかなり早く、7歳の頃にロックバンドEliasと共に制作したシングルがスマッシュヒットを飛ばし、話題になりました。
 
Frans and EliasWho's Da Man」) 

レゲエのビートに乗せて幼いFransがノリノリに歌っているこの曲は、スウェーデンを代表する有名サッカー選手ズラタン・イブラヒモビッチを歌ったトリビュートソングになっていて、スウェーデンのシングルチャートで13週連続1位という快挙を成し遂げました。

このヒットが縁となり、2年後の2008年に再びEliasとタッグを組み、UEFAチャンピオンシップのスウェーデン応援ソング「Fotbollsfest」をリリースしました。
 
Frans feat. EliasFotbollsfest」)

こちらもスウェーデンのシングルチャートで1位を獲得し、人気を博しましたが、その後Fransは目立った音楽活動を行っていませんでした。 


そして2016年。「Who's Da Man」のヒットから10年の時を経て、Fransはユーロビジョンのスウェーデン国内予選Melodifestivalen2016に出場します。
 
FransIf I Were Sorry」ライブパフォーマンス Melodifestivalen2016より)

多くの強豪歌手を押しのけ、決勝まで進んだFrans。YouTubeのMelodifestivalen公式チャンネルの予選パフォーマンス動画の中で唯一100万回再生を突破しており(決勝当時)、ブレイクの兆しが見受けられていました。

そして決勝では、視聴者からの圧倒的な支持を得て、優勝候補の一人と目されていたOscar Ziaを下して優勝。ユーロビジョン2016スウェーデン代表の座を勝ち取ったのです。
 
Oscar ZiaHuman」ライブパフォーマンス Melodifestivalen2016より)

国内予選で優勝した後、Fransは「If I Were Sorry」のシングルをリリースしました。
このシングルはスウェーデンのシングルチャートで1位を獲得したほか、海外のシングルチャートでも100位以内に続々ランクイン。音楽配信サービスSpotifyでも、ヨーロッパ各国のみならず、台湾やウルグアイのバイラルチャートの上位にランクインするなど、各地でスマッシュヒットを飛ばしました。


国内予選でキッズシンガーからの成長と、まだ残るあどけなさを見せつけたFransは、現地時間5/14に開かれる決勝に出場するほか、5/10の準決勝1日目でもパフォーマンスを披露する予定です。


参考:ESC公式、Wikipedia"Frans Jeppsson Wall","If I Were Sorry

【ESC2016】ドイツ:きゃりーに続く原宿系!? ドイツのNo.1ボイス登場



ユーロビジョン2016ドイツ代表は、Jamie-Leeの「Ghost」に決まりました。

彼女のデコレートしまくりの見た目についつい目が行ってしまいがちですが、歌唱力はとても18歳とは思えない位にピッチコントロールがパーフェクトなのが印象的です。幻想的なバラードナンバーで、シビアな音程のコントロールが求められる楽曲を見事に歌いきっています。


〈Jamie-Leeのプロフィール〉
Jamee-Lee(本名:Jamie-Lee Kriewitz)は1998年にドイツのハノーヴァーに近い街ベニッヒセンで生まれました。 

ロックバンドのドラマーとして活躍していた父の影響を受けてか、彼女自身も早い頃から音楽に興味を示していて、12歳の頃にゴスペルグループに加わり、歌唱技術を磨き上げていきました。 

音楽とともに彼女が強く興味を示したのが、日本や韓国のポップカルチャーでした。
見た目からも分かるように、彼女はデコラ系のファッションで身を包むなど、日本のファッションやマンガといったポップカルチャーに興味を持っているほか、 Block BをはじめとするK-POPにも強い関心を持っており(そこはJ-POPじゃ無かったんですね(笑)…)、近いうちに訪れたいという夢もあるんだとか。

そんなアジア好きの彼女が一躍ドイツでブレイクすることになったきっかけが、2015年にドイツの民放テレビ局ProSiebenで放送されたドイツ版The VOICE第5シーズンへの出場でした。
 
(The Voice Of Germany第5シーズンのJamee-Lee)

ディズニーの人気キャラクター、スティッチに身を包みブラインドオーディションに臨んだ彼女は、3組の審査員を振り向かせることに成功し、次々とステージをクリアしていきました。
 
Jamie-Lee & Jess GlynneTake Me Home」 The Voice Of Germany第5シーズンより)

決勝まで進んだ彼女は、見事優勝し、ドイツのナンバーワンボイスの座に輝くこととなりました。彼女はまだこの時17歳でした。 


The Voiceで優勝した追い風がそのまま続き、ユーロビジョン2016の国内予選で初のオリジナル曲「Ghost」を披露した彼女は、10組のアーティストの中から高い得票率を得て、見事ドイツ代表として出場することが決まりました。

ユーロビジョン2016ドイツ代表Jamie-Leeは、現地時間5/14に開かれる決勝に出場するほか、5/12に開かれる準決勝2日目でもパフォーマンスを披露する予定です。


参考:ESC公式(1),(2)、Wikipedia"Jamie-Lee Kriewitz"、NAVERまとめ"まるでおもちゃ箱☆原宿を中心に生息する『デコラ』って?【ストリートスナップ・画像】"、DW"17-year-old Jamie-Lee Kriewitz to sing for Germany at Eurovision 2016"

【ESC2016】スロベニア:父の死を乗り越え…念願のユーロビジョンへ



ユーロビジョン2016スロベニア代表は、ManuEllaの「Blue And Red」に決まりました。

疾走感のあるカントリーミュージック風のこの曲は、良い日もあれば土砂降りの日がある人生をありのまま受け止め、強い気持ちを持って前向きに生きていこうと歌っている一曲です。 


〈ManuEllaのプロフィール〉
ManuElla(本名:Manuela Brečko)は1989年にスロベニア東部の街ツェリェで生まれました。

小さな頃から音楽に接していたという彼女は、6歳の頃からアコーディオンを弾き始めていたのだそうです。
13歳の頃にはバンドでベースも担当し、様々な楽器を演奏していた彼女ですが、一番やりたかったのはやはり歌だったといいます。

音楽学校に進み、ピアノやベースだけでなく、歌も学んだ彼女は、16歳の頃にソロシンガーとしてスロベニアのテレビに初めて出演することに。その後、大学に進学し、音楽プロデュースについて深く学んでいきました。

2010年にはドイツのテレビ局で放送されたタレントオーディション番組「Das Supertalent(ドイツ版”Britain's Got Talent”)」にも出演していたという彼女ですが、歌手としての一歩を大きく踏み出したのは、2012年にスロベニアで開催されたユーロビジョン国内予選Misija Evrovizijaへの出場でした。
 
Manuela Brečko(ManuElla) 「Something in the water」Brooke Fraserカバー Misija Evrovizijaより)

ManuEllaは予選を見事突破し、準決勝まで進みましたが、惜しくも敗退。Eva Botoがスロベニア代表の座を勝ち取りました。

ユーロビジョンの切符を逃したものの、彼女はその後シングルをリリースし歌手活動を本格化させます。
 
Manuela Brečko(ManuElla) 「Il Futuro(未来)」)

順調に歌手生活のスタートを切るに見えたManuEllaですが、ここで大きな出来事が起きてしまいました。
彼女を支え、そしてファンの一人として応援してくれていた最愛の父が亡くなってしまったのです。

暫くの間、曲をリリースするのもままならない状況が続いていた彼女。しかし、歌手という夢を追い続けたいとする情熱で心を奮い立たせ、歌手活動を再開することになったのです。


2016年。ManuEllaはそんな彼女の経験も踏まえた楽曲「Blue And Red」でスロベニアの国内予選に再挑戦しました。
 
ManuEllaBlue And Red」ライブパフォーマンス EMA2016より)

彼女はこの予選で、過去スロベニア代表として出場した2人のアーティストを下し、決選投票に進出。
根強い人気のある歌手Raivenと直接対決したのです。
 
RaivenČrno bel(白黒)」ライブパフォーマンス EMA2016より) 

「青と赤」、「白と黒」という色対決を制したのはManEllaでした。
彼女は視聴者投票で一位となり、念願のスロベニア代表の座を勝ち取ったのです。


ユーロビジョン2016スロベニア代表ManuEllaは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式(1),(2)、Wikipedia"ManuElla","Slovenia in the Eurovision Song Contest 2012"

【ESC2016】ポーランド:久々の国内予選で選ばれたアーティストは…?



ユーロビジョン2016ポーランド代表は、Michał Szpakの「Color Of Your Life」に決まりました。

 ”孤独があなたの扉をノックすると
  あなたはただ去ることを好んだ
 そして、すべてを失ったと感じた時
  涙なしの人生なんて無いと気付くことになる”


そんな導入で始まるこのミディアムバラードの曲は、人生は常に様々な色に染まるものであって、どんな運命が待っていてもそれに目を背けず、自分のありのままの心の色を受け入れようと歌っています。


〈Michał Szpakのプロフィール〉
Michał Szpakは1990年にポーランド南部の街ヤスウォで生まれました。

芸術一家のもとに生まれた彼は、QueenやMuse、Pink Floyd、David Bowie等のアーティストの影響を受け、9歳の頃から歌い始めていたそうです。高校生の時には、友人とともにバンドを結成し、ハードロックスタイルの音楽を演奏していたのだとか。ちなみに、Michałの姉はクラシック方向に進んでいき、現在はプロのソプラノ歌手として活躍されているそうです。

クラシック畑に進んでいった姉とは対照的に、音楽の素養を積んでこなかったMichałは、ワルシャワのUniversity of Social Sciences and Humanitiesで心理学を学ぶという、一見すると音楽の筋とは離れた道を進んでいくことになりました。

しかし、彼は2011年に音楽の道へ大きな一歩を踏み出すこととなったのです。
ポーランドの放送局TVNで放送されたポーランド版Xファクター第1シーズンに出場したのです。
 
Michał SzpakDziwny jest ten świat(不思議な世界)」Czesław Niemenカバー ポーランド版X Factor第1シーズンより) 

彼の女性的な衣装やちょっと変わった行動に拒否的な反応を示していた審査員や笑い飛ばしていた聴衆は、彼がソウルフルな歌声を披露した途端に態度を180度変え、彼は最終的に満場一致でオーディションに合格したのです。

その後彼は順調に勝ち進んでいき、決勝まで駒を進めましたが、惜しくも優勝はならず、準優勝で番組を終えました。優勝は果たせなかったものの、Michałはその後ユニバーサルミュージックと契約し、メジャーデビューすることとなりました。
 
Michal SzpakRewolucja」)


これまでにデビューミニアルバムとアルバム1枚をリリースしたほか、国内外の音楽祭や音楽賞へ出場するなど精力的な活動を続けてきたMichałは、2016年にユーロビジョンのポーランド国内予選「Krajowe Eliminacje 2016」に出場することになりました。


〈久々に開かれた国内予選〉
ポーランドで2011年以来久々に開催された国内予選には9組のアーティストが出場しました。その中には、Michał以外にも複数の注目アーティストが参加していました。

Edyta GórniakGrateful
 
(Krajowe Eliminacje 2016より)
Edyta Górniakは、ポーランドが初出場を果たした1994年に代表を務めた歌手で、初出場にして2位という好成績を残したことでも知られています。

MargaretCool Me Down
 
(公式リリックビデオ)
2009年にデビューしたシンガー・ソングライターMargaretもこの国内予選に出場。ユーロビジョンファンの間で最も高い人気を集めていました。

彼女たちも含めた9人で争われた国内予選で、Michał Szpakは視聴者投票で見事一位となり、ポーランド代表の座を勝ち取りました。

(Michał Szpak 「Color Of Your Life」 Krajowe Eliminacje 2016より)

なお、上位3組の視聴者投票の結果は以下のとおりです。

 1.Michał Szpak 「Color Of Your Life」 35.89%
 2.Margaret 「Cool Me Down」 24.72%
 3.Edyta Górniak 「Grateful」 18.49%


ユーロビジョン2016ポーランド代表Michał Szpakは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式(),()、Wikipedia"Michał Szpak","Poland in the Eurovision Song Contest 2016
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