E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

出演アーティスト(準決(1))

【ESC2016】サンマリノ:トルコの名司会者Serhat登場



ユーロビジョン2016サンマリノ代表は、Serhatの「I Didn't Know」に決まりました。

熱いラブソングをSerhatの渋い低音ボイスで囁くように歌い上げているこの楽曲。当初発表されたものはスローなバラード曲でしたが、ユーロビジョン版としてディスコ仕様にブラッシュアップされました。

今回は英語詞でのエントリーとなっていますが、歌手Serhatの活動拠点フランス語のバージョンや、サンマリノと言ったら忘れてはいけないイタリア語のバージョンも公開されています。いずれもディスコ版ではなく、当初発表されたバラードバージョンなのですが、フランス語版が曲の雰囲気にとてもマッチしていて素晴らしい出来になっています。 …できたらフランス語のバージョンでエントリーして欲しかったところです!!


〈Serhatのプロフィール〉
Serhat(本名:Ahmet Serhat Hacıpaşalıoğlu)は1964年に、トルコのイスタンブールで生まれました。
海軍将校の父親のもとに生まれたSerhatは、イスタンブールにあるドイツ式高等学校Deutsche Schule Istanbulを卒業した後、1453年創立という歴史ある名門校イスタンブール大学に入学し歯科学を専攻、1988年に卒業するという、エリート一直線な学生時代を送りました。

卒業後、Serhatは番組プロダクションの道を志すようになり、1994年にEnd Productionという個人事務所を立ち上げ、トルコのテレビ番組のプロデュースと司会業を始めることとなります。

様々なテレビ番組を手がけてきた中で一番有名なのは、アメリカのクイズ番組「Jeopardy!」のフォーマットを採用した「Riziko!」です。
 
(「Riziko!」1996年放送分より) 

個人事務所立ち上げと同時に放送が始まったこのクイズ番組で、彼は翌1995年、トルコのテレビ番組の祭典Golden Butterfly賞で「ベスト男性司会者」と「ベストクイズ番組(「Riziko!」に対し)」に輝きました。

司会業や番組プロデュースで成功を収めたSerhatは、1997年にシングルをリリースし、歌手活動も始めます。
2004年には、ベルギーの歌手でユーロビジョン1987の司会も務めたViktor Lazloとのデュエット曲「Total Disguise」 をリリースし、本国トルコや隣国ギリシャなどで話題となりました。
 
Serhat & Viktor LazloTotal Disguise」) 

2014年からは、音楽活動の中心をフランスとドイツに移し、シングル「Je M'Adore」をリリースします。
 
SerhatJe M'Adore」) 

スウィングのリズムに乗せてSerhat独特の低い囁きボイスで歌うこの楽曲は、ヨーロッパ各国でヒットを飛ばし、ドイツのクラブミュージックチャートでは5週連続で1位を記録したほか、イギリスのダンスミュージックチャートでも2位を記録しました。 


そして、2016年。トルコのユーロビジョン参加辞退が続く中、Serhatはサンマリノ代表としてユーロビジョンに出場することになりました。
 
SerhatI Didn't Know」 ライブパフォーマンス)

トルコのみならず、ヨーロッパ中で人気のあるアーティストSerhatを味方につけたサンマリノ。2014年以来の決勝進出を果たすことができるのでしょうか? 
現地時間5/10に開かれる準決勝1日目に登場するSerhatのステージに要注目です。


参考:ESC公式、Wikipedia”Serhat (singer)” 

【ESC2016】オランダ:新星シンガー・ソングライター登場



ユーロビジョン2016オランダ代表は、Douwe Bobの「Slow Down」に決まりました。

自身の作詞作曲によるこの楽曲は、オールディーズロック調のミディアムテンポの楽曲にのせて、ただ生き急ぐ毎日、どこへ向かったら、何を目指したら良いのか分からない日々を送る人に、「ゆっくり行こうよ」と優しい一言を歌い捧げてくれる一曲に仕上がっています。サビがとっても口ずさみやすく、親しみやすい一曲です。


〈Douwe Bobのプロフィール〉
Douwe Bob(本名:Douwe Bob Posthuma)は1992年にオランダの首都アムステルダムで生まれました。

音楽家で、サイケデリックな芸術スタイルで話題を読んだ芸術集団The FoolのメンバーSimon Posthumaを父に持ったDouweは、6歳の頃からピアノを弾き始め、ジャズやクラシック音楽に傾倒していったそうです。

14歳の頃からギターも引き始めた彼は、やがて歌も始めるようになり、カントリーやフォークミュージック、1950年代から70年代のポップスなどから影響を受けながら、自身の音楽スタイルを確立していきました。

Douweが一躍注目されるきっかけとなったのが、2012年、オランダのシンガー・ソングライターを発掘するオーディション番組「De beste singer-songwriter van Nederland」第1シーズンへの出場でした。
 
Douwe BobMulticoloured Angels」 De beste singer-songwriter van Nederlandより)

決勝まで進んだ彼は、そのステージで「Multicoloured Angels」 を披露し、優勝しました。
その後、オーディション番組での優勝楽曲「Multicoloured Angels」のシングルリリースでメジャーデビューを果たした彼は、シンガー・ソングライターとして本格的な音楽活動を始めます。

翌2013年にはアルバムのリリースや、オランダのロックフェスPINKPOPへの出演、ドキュメンタリー映画に父とともに出演するなど、活躍の幅を広げていったDouwe。2015年には、ユーロビジョン2013オランダ代表Anoukとコラボした楽曲「Hold Me」をリリースし、さらに多くの注目を集めることとなりました。
 
Anouk & Douwe BobHold Me」)

この年の5月には、セカンドアルバム「Pass It On」をリリースし、オランダのアルバム・チャートで最高1位を記録しました。


オランダへ9年ぶりの決勝進出をもたらしたAnoukとのコラボで話題を集めたシンガー・ソングライターDouwe Bobは、現地時間5/10の準決勝1日目に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Douwe Bob" 

【ESC2016】モンテネグロ:Xファクター出身ミクスチャーバンド登場



ユーロビジョン2016モンテネグロ代表は、Highwayの「The Real Things」に決まりました。

2014年、2015年はベテランシンガーを投入してきたモンテネグロですが、今年は2013年以来久々の若い世代のアーティスト登場となりました。

ロックをベースに、EDMでも用いられるエッジの効いたシンセサウンドをふんだんに取り入れた楽曲に仕上がっています。


〈Highwayのプロフィール〉
Highwayは以下の3人で構成されたミクスチャーバンドです。

 ・Peter Tosic(リードボーカル)
 ・Marko Pesic(ギター・ボーカル)
 ・Luke Vojvodic(ギター・ボーカル)

この3人に加え、本番のステージではキーボード・ボーカルのBojan Jovovicが加わり、4人でユーロビジョンのステージに登る予定です。

Highwayはモンテネグロの首都ポドゴリツァ出身の3人組で結成されたバンドですが、注目されるきっかけとなったのは、2015年に旧ユーゴ圏で放送されたオーディション番組「X Factor Adria」第2シーズンへの出場でした。
 
Highway TrioPar godina za nas」、「Ti si sav moj」カバー X Factor Adriaより) 

番組では「Highway Trio」というユニット名で出場していた彼らは、一時は脱落の危機に陥ったものの、決勝ラウンドまで進むことができましたが、惜しくも優勝には至らず、4位で終了しています。

Xファクターへの出演後、彼らはオリジナルソングをリリースし、モンテネグロを中心に本格的な音楽活動を始めました。

HighwaySam」)


そして2016年、モンテネグロの放送局の内部選考により、ユーロビジョンにモンテネグロ代表として出場することが決定。キーボードのBojan Jovovicを加えた4人のHighwayで登場します。

現在、楽曲「The Real Things」がMTV Adriaのドメスティックチャートでトップ3圏内にランクイン中の彼ら。この勢いを本番につなげることができるのでしょうか? 
Highwayは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia”Highway (Montenegrin band)”、”X Factor Adria (series 2)”、X Factor Adria公式サイト、MTV Adria”TOP LISTE / DOMAĆICA

【ESC2016】アルメニア:ドイツとアルメニア 渡り歩いて歌手デビュー



ユーロビジョン2016アルメニア代表は、Iveta Mukuchyanの「Love Wave」に決まりました。

静寂から一気に盛り上がり、Ivetaのスケール感のある声と相まって盛大に、かつ神秘的に展開していくバラードソングに仕上がっています。Iveta自身が制作に関わっている歌詞も、哲学的な一面や神秘的な一面があり、聴き込める一曲となっています。


〈Iveta Mukuchyanのプロフィール〉
Iveta Mukuchyanは1986年に現アルメニアの首都エレバンで生まれました。
3歳の頃から歌に興味を持ち始めていたという彼女ですが、5歳の頃、一家でドイツに移住することになり、以後2009年までアルメニアを離れて暮らすこととなりました。

大学で言語学を学んだIvetaは、親のすすめもあって2009年にアルメニアに戻り、エレバンの音楽学校でジャズボーカルを学びます。

アルメニアに戻った2009年、彼女はアルメニア版のアメアイ「Hay Superstar」 に出場します。
幼いころ思い描いていた夢への第一歩を、母国アルメニアで踏み出したのです。
 
Iveta MukuchyanHot'n Cold」 Katy Perryカバー Hay Superstarより) 

決勝ラウンドまで進んだ彼女ですが、惜しくも優勝には至らず、5位で終了します。

しかし、アルメニアに渡って音楽に挑戦していく中で、歌への情熱を再び取り戻した彼女は、この結果にくじけることなく、再びオーディション番組に挑戦することとなりました。

2012年、彼女はドイツに戻り、オーディション番組「The Voice of Germany」第2シーズンに出場。ブラインドオーディションでLoreenの「Euphoria」を披露しました。
 
Iveta MukuchyanEuphoria」 Loreenカバー The Voice Of Germanyより)

彼女は1人振り向いてくれた審査員のもと、バトルラウンドを通過した彼女は決勝ラウンドまで進むことができたものの、優勝までは至らず敗退してしまいます。

しかしこの後、彼女は母国アルメニアでの活躍の幅を広げていきます。雑誌で「セクシーなアルメニア人」として紹介記事が組まれたり、音楽プロデューサーLazzaroのフィーチャリングボーカリストとして楽曲に参加したり、様々な活動を通してアルメニアでの知名度を上げていきました。


そして、2015年。Ivetaはアルメニアの放送局による内部選考でユーロビジョン2016アルメニア代表に選ばれました。かつてオーディション番組でユーロビジョンの優勝曲をカバーしていた彼女が、今度はユーロビジョンの出場者となったのです。

現在アルメニアで歌手のみならず、ファッションモデルや女優としても活躍しているIveta Mukuchyanは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目に登場します。
どんなステージパフォーマンスが披露されるのか、ここ数年視覚的に凝った演出が続いているアルメニアだけあって、非常に期待が懸かっています。


参考:ESC公式、Wikipedia"Iveta Mukuchyan"、The Voice Of Germany公式 

【ESC2016】ギリシャ:異例の内部選考で選ばれたのは…?



ユーロビジョン2016ギリシャ代表は、Argoの「Utopian Land」に決まりました。

毎年、ギリシャ代表の楽曲は国内予選を経て決定されるのですが、今回は珍しく、内部選考で代表が決められました(なお、内部選考の基準や過程などは明らかにされておらず、Oikotimes等一部メディアから「急進左派連合に近いものから選ばれた」とも報じられています)

地中海沿岸の伝統弦楽器リラのメロディが印象的な冒頭から、オリエンタルなリズムが刻まれる主題へ繋がる展開は、例年以上にギリシャの伝統色が濃く反映されています。サビは英語詞でまとめられている一方、ラップ詞はギリシャ語で綴られているのは、英語詞のエントリーが蔓延する今年の楽曲の中で目を引くものがあります。 


〈Argoのプロフィール〉
Argoのメンバーは以下の6人で構成されています。

 ・Christina Lachana(ボーカル)
 ・Maria Venetikidou(バックボーカル)
 ・Vladimiros Sofianidis(ボーカル)
 ・Kostas Topouzis(リラ)
 ・Ilias Kesidis(バックボーカル・パーカッション)
 ・Alekos Papadopoulos(ダウール

彼らは2006年に「Europond」というバンド名でデビュー。ギリシャをはじめとするバルカン半島の音楽とヒップホップを融合させたミクスチャーバンドとして活動しています。

EuropondMose Senora」) 

Europondは2016年、「Argo」と改名しユーロビジョンのギリシャ代表として出場します。

ただ、今回の決定については、ギリシャのユーロビジョンファンメディアのOikotimesは記事のタイトルに「Unfortunately(不幸なことに)」と付けて報じており、必ずしもギリシャ国内で歓迎されているわけではないことが伺えます。

選考過程の不透明性が指摘されているだけでなく、今回「Europond」がなぜ「Argo」に解明されたのかも不透明であったり、今回の楽曲のサビ部分が、ギリシャのアーティストGlikeriaの「To diko mou paploma」に似ていると指摘されているなど、様々な疑問や疑惑が浮かび上がっており、影を落としています。
 
GlikeriaTo diko mou paploma」)

異例の内部選考の結果、様々な疑念と疑惑が巻き起こっている今回のギリシャのエントリーですが、本番では最善のパフォーマンスでオーディエンスを魅了していただきたいところです。


ユーロビジョン2016ギリシャ代表Argoのステージは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目で披露されます。


参考:ESC公式、Oikotimes"Greece 2016: Europond (unfortunately) to Stockholm","Greece 2016: is Utopian Land original enough?"、Wiwibloggs"ARGO WILL REPRESENT GREECE AT EUROVISION 2016 " 
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