ユーロビジョン2016スロベニア代表は、ManuEllaの「Blue And Red」に決まりました。
疾走感のあるカントリーミュージック風のこの曲は、良い日もあれば土砂降りの日がある人生をありのまま受け止め、強い気持ちを持って前向きに生きていこうと歌っている一曲です。
〈ManuEllaのプロフィール〉
ManuElla(本名:Manuela Brečko)は1989年にスロベニア東部の街ツェリェで生まれました。
小さな頃から音楽に接していたという彼女は、6歳の頃からアコーディオンを弾き始めていたのだそうです。
13歳の頃にはバンドでベースも担当し、様々な楽器を演奏していた彼女ですが、一番やりたかったのはやはり歌だったといいます。
音楽学校に進み、ピアノやベースだけでなく、歌も学んだ彼女は、16歳の頃にソロシンガーとしてスロベニアのテレビに初めて出演することに。その後、大学に進学し、音楽プロデュースについて深く学んでいきました。
2010年にはドイツのテレビ局で放送されたタレントオーディション番組「Das Supertalent(ドイツ版”Britain's Got Talent”)」にも出演していたという彼女ですが、歌手としての一歩を大きく踏み出したのは、2012年にスロベニアで開催されたユーロビジョン国内予選Misija Evrovizijaへの出場でした。
(Manuela Brečko(ManuElla) 「Something in the water」Brooke Fraserカバー Misija Evrovizijaより)
ManuEllaは予選を見事突破し、準決勝まで進みましたが、惜しくも敗退。Eva Botoがスロベニア代表の座を勝ち取りました。
ユーロビジョンの切符を逃したものの、彼女はその後シングルをリリースし歌手活動を本格化させます。
(Manuela Brečko(ManuElla) 「Il Futuro(未来)」)
順調に歌手生活のスタートを切るに見えたManuEllaですが、ここで大きな出来事が起きてしまいました。
彼女を支え、そしてファンの一人として応援してくれていた最愛の父が亡くなってしまったのです。
暫くの間、曲をリリースするのもままならない状況が続いていた彼女。しかし、歌手という夢を追い続けたいとする情熱で心を奮い立たせ、歌手活動を再開することになったのです。
2016年。ManuEllaはそんな彼女の経験も踏まえた楽曲「Blue And Red」でスロベニアの国内予選に再挑戦しました。
(ManuElla 「Blue And Red」ライブパフォーマンス EMA2016より)
彼女はこの予選で、過去スロベニア代表として出場した2人のアーティストを下し、決選投票に進出。
根強い人気のある歌手Raivenと直接対決したのです。
(Raiven 「Črno bel(白黒)」ライブパフォーマンス EMA2016より)
「青と赤」、「白と黒」という色対決を制したのはManEllaでした。
彼女は視聴者投票で一位となり、念願のスロベニア代表の座を勝ち取ったのです。
ユーロビジョン2016スロベニア代表ManuEllaは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。
参考:ESC公式(1),(2)、Wikipedia"ManuElla","Slovenia in the Eurovision Song Contest 2012"