E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

出演アーティスト(準決(2))

【ESC2016】スロベニア:父の死を乗り越え…念願のユーロビジョンへ



ユーロビジョン2016スロベニア代表は、ManuEllaの「Blue And Red」に決まりました。

疾走感のあるカントリーミュージック風のこの曲は、良い日もあれば土砂降りの日がある人生をありのまま受け止め、強い気持ちを持って前向きに生きていこうと歌っている一曲です。 


〈ManuEllaのプロフィール〉
ManuElla(本名:Manuela Brečko)は1989年にスロベニア東部の街ツェリェで生まれました。

小さな頃から音楽に接していたという彼女は、6歳の頃からアコーディオンを弾き始めていたのだそうです。
13歳の頃にはバンドでベースも担当し、様々な楽器を演奏していた彼女ですが、一番やりたかったのはやはり歌だったといいます。

音楽学校に進み、ピアノやベースだけでなく、歌も学んだ彼女は、16歳の頃にソロシンガーとしてスロベニアのテレビに初めて出演することに。その後、大学に進学し、音楽プロデュースについて深く学んでいきました。

2010年にはドイツのテレビ局で放送されたタレントオーディション番組「Das Supertalent(ドイツ版”Britain's Got Talent”)」にも出演していたという彼女ですが、歌手としての一歩を大きく踏み出したのは、2012年にスロベニアで開催されたユーロビジョン国内予選Misija Evrovizijaへの出場でした。
 
Manuela Brečko(ManuElla) 「Something in the water」Brooke Fraserカバー Misija Evrovizijaより)

ManuEllaは予選を見事突破し、準決勝まで進みましたが、惜しくも敗退。Eva Botoがスロベニア代表の座を勝ち取りました。

ユーロビジョンの切符を逃したものの、彼女はその後シングルをリリースし歌手活動を本格化させます。
 
Manuela Brečko(ManuElla) 「Il Futuro(未来)」)

順調に歌手生活のスタートを切るに見えたManuEllaですが、ここで大きな出来事が起きてしまいました。
彼女を支え、そしてファンの一人として応援してくれていた最愛の父が亡くなってしまったのです。

暫くの間、曲をリリースするのもままならない状況が続いていた彼女。しかし、歌手という夢を追い続けたいとする情熱で心を奮い立たせ、歌手活動を再開することになったのです。


2016年。ManuEllaはそんな彼女の経験も踏まえた楽曲「Blue And Red」でスロベニアの国内予選に再挑戦しました。
 
ManuEllaBlue And Red」ライブパフォーマンス EMA2016より)

彼女はこの予選で、過去スロベニア代表として出場した2人のアーティストを下し、決選投票に進出。
根強い人気のある歌手Raivenと直接対決したのです。
 
RaivenČrno bel(白黒)」ライブパフォーマンス EMA2016より) 

「青と赤」、「白と黒」という色対決を制したのはManEllaでした。
彼女は視聴者投票で一位となり、念願のスロベニア代表の座を勝ち取ったのです。


ユーロビジョン2016スロベニア代表ManuEllaは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式(1),(2)、Wikipedia"ManuElla","Slovenia in the Eurovision Song Contest 2012"

【ESC2016】ポーランド:久々の国内予選で選ばれたアーティストは…?



ユーロビジョン2016ポーランド代表は、Michał Szpakの「Color Of Your Life」に決まりました。

 ”孤独があなたの扉をノックすると
  あなたはただ去ることを好んだ
 そして、すべてを失ったと感じた時
  涙なしの人生なんて無いと気付くことになる”


そんな導入で始まるこのミディアムバラードの曲は、人生は常に様々な色に染まるものであって、どんな運命が待っていてもそれに目を背けず、自分のありのままの心の色を受け入れようと歌っています。


〈Michał Szpakのプロフィール〉
Michał Szpakは1990年にポーランド南部の街ヤスウォで生まれました。

芸術一家のもとに生まれた彼は、QueenやMuse、Pink Floyd、David Bowie等のアーティストの影響を受け、9歳の頃から歌い始めていたそうです。高校生の時には、友人とともにバンドを結成し、ハードロックスタイルの音楽を演奏していたのだとか。ちなみに、Michałの姉はクラシック方向に進んでいき、現在はプロのソプラノ歌手として活躍されているそうです。

クラシック畑に進んでいった姉とは対照的に、音楽の素養を積んでこなかったMichałは、ワルシャワのUniversity of Social Sciences and Humanitiesで心理学を学ぶという、一見すると音楽の筋とは離れた道を進んでいくことになりました。

しかし、彼は2011年に音楽の道へ大きな一歩を踏み出すこととなったのです。
ポーランドの放送局TVNで放送されたポーランド版Xファクター第1シーズンに出場したのです。
 
Michał SzpakDziwny jest ten świat(不思議な世界)」Czesław Niemenカバー ポーランド版X Factor第1シーズンより) 

彼の女性的な衣装やちょっと変わった行動に拒否的な反応を示していた審査員や笑い飛ばしていた聴衆は、彼がソウルフルな歌声を披露した途端に態度を180度変え、彼は最終的に満場一致でオーディションに合格したのです。

その後彼は順調に勝ち進んでいき、決勝まで駒を進めましたが、惜しくも優勝はならず、準優勝で番組を終えました。優勝は果たせなかったものの、Michałはその後ユニバーサルミュージックと契約し、メジャーデビューすることとなりました。
 
Michal SzpakRewolucja」)


これまでにデビューミニアルバムとアルバム1枚をリリースしたほか、国内外の音楽祭や音楽賞へ出場するなど精力的な活動を続けてきたMichałは、2016年にユーロビジョンのポーランド国内予選「Krajowe Eliminacje 2016」に出場することになりました。


〈久々に開かれた国内予選〉
ポーランドで2011年以来久々に開催された国内予選には9組のアーティストが出場しました。その中には、Michał以外にも複数の注目アーティストが参加していました。

Edyta GórniakGrateful
 
(Krajowe Eliminacje 2016より)
Edyta Górniakは、ポーランドが初出場を果たした1994年に代表を務めた歌手で、初出場にして2位という好成績を残したことでも知られています。

MargaretCool Me Down
 
(公式リリックビデオ)
2009年にデビューしたシンガー・ソングライターMargaretもこの国内予選に出場。ユーロビジョンファンの間で最も高い人気を集めていました。

彼女たちも含めた9人で争われた国内予選で、Michał Szpakは視聴者投票で見事一位となり、ポーランド代表の座を勝ち取りました。

(Michał Szpak 「Color Of Your Life」 Krajowe Eliminacje 2016より)

なお、上位3組の視聴者投票の結果は以下のとおりです。

 1.Michał Szpak 「Color Of Your Life」 35.89%
 2.Margaret 「Cool Me Down」 24.72%
 3.Edyta Górniak 「Grateful」 18.49%


ユーロビジョン2016ポーランド代表Michał Szpakは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式(),()、Wikipedia"Michał Szpak","Poland in the Eurovision Song Contest 2016

【ESC2016】マケドニア:Kaliopi 三度目の挑戦



ユーロビジョン2016マケドニア代表は、Kaliopiの「Dona」に決まりました。

今回ユーロビジョンに二度目の出場を果たしたKaliopi。2012年に出場した時はハイトーンを駆使した情熱的なロックナンバーでしたが、今回はロックバラードで愛と絆を力強く歌い上げています。作詞はKaliopi自身の手により行われ、作曲はデビュー当時からプロデュースに関わり続けているRomeo Grillの手によるものです。

今年は2009年以来久々に、(コソボを除き)旧ユーゴ圏が揃ってユーロビジョンに出場する事になりましたが、出場6カ国のうち自国語の歌詞でエントリーしたのはボスニア・ヘルツェゴビナとマケドニアのみ。マケドニアは2014年と2015年は英語詞でのエントリーが続いていて、今回は久々のマケドニア語によるナンバーとなっています。


〈Kaliopiのプロフィール〉
Kaliopi(本名:Kaliopi Bukle)は1966年にマケドニア西部の都市キチェヴォで生まれました。

幼い頃から音楽に興味を抱いていたという彼女は、9歳の頃から児童音楽コンクールに出場したり、合唱団に入ってヨーロッパ諸国を回るなど、積極的に音楽活動を行っていたそうです。

彼女がプロシンガーとしてデビューしたのは1984年のことでした。音楽学校に進学し、ユーゴスラビアの音楽コンクールで3位入賞を果たした後、音楽プロデューサーRomeo Grillの手により結成されたロックバンド「Kaliopi」のリードボーカルとして活動することになったのです。

翌1985年には音楽祭Festival Opatijaにて最優秀パフォーマー賞を受賞、ファーストアルバム「Kaliopi」をリリースした1986年にはクロアチアの音楽祭Split Festivalで最優秀新人賞を受賞し、ユーゴスラビアで知名度を高めていきました。

しかし、音楽祭やテレビへの出演などが相次ぎ、人気絶頂の中にいた彼女はスイスに移住し、ほどなくしてバンドは解散してしまいます。Kaliopiは約10年間、音楽から遠ざかる生活を送ることにしたのです。

そんな彼女が音楽に復帰したのは1996年のこと。マケドニアの音楽祭「Skopje Fest」への出場がきっかけでした。
 
KaliopiSamo ti(あなただけ)」 Skopje Fest1996より)

ソロシンガーKaliopiとして復帰した彼女は、ユーロビジョンの国内予選でもあったこの音楽祭で優勝し、ユーロビジョン1996マケドニア代表として出場することとなったのですが、非公開の事前審査により落選してしまいます。

この年はユーロビジョンに参加を希望する国が相次いでいた年で、まだ準決勝制が導入されておらず、どのように参加国を絞るか模索していたそうです。
苦肉の策として、本放送前にオーディオ審査で参加23カ国を決めるという策に打って出たのですが、審査の不透明性は参加各国から避難が相次ぎ、特に開催資金の拠出額が多い国の一つであったドイツが落選したことは大きなトピックとなり、後にBig5(=最大拠出国が落選しない制度)が誕生したり、準決勝制が導入されることとなったのです。 

結局ユーロビジョンに出場できなかったKaliopiですが、その後はより積極的に音楽活動を行っていきました。
自身のアルバムリリースのみならず、ほかのアーティストへの楽曲提供など、シンガー・ソングライターとしてマケドニア国内外で精力的な活動を行い続けました。

2012年、Kaliopiはマケドニアの放送局からの招待を受け、ユーロビジョン2012マケドニア代表として念願の初出場を果たしました。
 
KaliopiCrno I Belo(白と黒)」 ユーロビジョン2012決勝より)

準決勝を9位で通過した彼女は、2008年以降準決勝敗退が続いていたマケドニアを決勝に導くこととなったのです。


その後も精力的にアルバムリリースやアーティストへの楽曲提供、テレビ出演などを重ねてきた彼女は、ソロ活動開始20年という節目を迎える2016年に、マケドニアの放送局MKRTVからの誘いで再度ユーロビジョンに出場することが決まりました。

ユーロビジョンのファンから多くの声援を受けて2度目の出場を決めたKaliopiは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。彼女が出場した2012年を最後に、昨年まで準決勝敗退が続いているマケドニアを再び決勝へ導くことができるのか、要注目です。


参考:ESC公式、Wikipedia"カリオピ","ユーロビジョン・ソング・コンテスト1996"、Kaliopi公式ページ

【ESC2016】イスラエル:超個性派シンガーHovi Star



ユーロビジョン2016イスラエル代表は、Hovi Starの「Made Of Stars」に決まりました。

ピアノのイントロで静かに始まり、ドラマチックに展開していくバラードナンバーに仕上がっています。
元々は、国内予選で別のバージョンが披露されていましたが、ユーロビジョンに向けてブラッシュアップし、今回のバージョンにまとまりました。 

イスラエルの美しい夜景にドローンを星のように散りばめていく美しいミュージックビデオも見応えのある仕上がりになっています。


〈Hovi Starのプロフィール〉
Hovi Star(本名:Hovav Sekulets)は1986年に、イスラエル北部の町Kiryat Ataに生まれました。
両親は彼が幼い頃に離婚。その後Hoviの母はプロバスケットボール選手と再婚することになるのですが、その仕事柄、各地を転々と引っ越す生活を送ることになったそうです。

Hoviは小さい頃から化粧に興味を持っていたり、お寿司が好きでよく箸を使って食事をしていたりしたため、周囲からは奇異の眼差しで見つめられることもあっただけでなく、時に学校で物を投げつけられるなどのいじめも受けていたそうです。

彼が音楽への興味を持ち始めたのは6歳の頃。リビングのテーブルの上に立ってユーロビジョンごっこを母に披露したり、アルバムを作るために学校を休んだり(結局アルバムは完成せず)という幼少期を過ごしていたそうです。

音楽へのあこがれを強く抱いた彼は、学校を卒業し、イスラエルの兵役を務めた後、2009年にイスラエル版のアメアイ「Kokhav Nolad」第7シーズンに出場しました。このシーズンには、ユーロビジョン2014でイスラエル代表を務めたMei Finegoldも出場していました。

Hovi StarCinderella」Sextaカバー Kokhav Nolad第7シーズンより)

彼もMeiと同じく、この番組で優勝を勝ち取ることができず、7位で終わってしまいましたが、翌2010年にシングル「Boyfriend」をリリースし、メジャーデビューすることになりました。

以後、Hoviはシンガー・ソングライターとしてシングルをリリースしていくほか、トラックメーカーのNimrod Gabayのフィーチャリングアーティストとして参加するなど、ほかのアーティストとのコラボレーションにも参加していきました。
 
Nimrod Gabay ft.Hovi StarW.S.I.L」) 

こうしたアーティスト活動の一方、彼はディズニー映画のヘブライ語吹き替え版の声優としても活躍していて、「アナと雪の女王」や「インサイドヘッド」、「シンデレラ」などの作品に参加したそうです。 


そして2015年。Hoviはユーロビジョンのイスラエル国内予選「HaKokhav HaBa L'Eirovizion」に出場します。
 
Hovi StarStay With Me」Sam Smithカバー HaKokhav HaBaより) 

視聴者と審査員のリアルタイム投票が出場者の結果を大きく左右するこの番組で、Hoviは見事優勝し、イスラエル代表の座を獲得しました。


ユーロビジョン2016イスラエル代表Hovi Starは現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。

プロモーションツアー中、セクシャリティ上の問題(Hoviはゲイを公言)で、ロシア入国時に入国審査官にパスポートを破かれるトラブルに遭ったHovi。ユーロビジョンの全日程が無事に進むことを祈らんばかりです(スウェーデンだから、きっと大丈夫ですね)。 


参考:ESC公式、Wikipedia"Hovi Star"、ESCKAZ、Metro.co.uk"Israel Eurovision entrant ‘suffers homophobic incident at Russia airport’

【ESC2016】ジョージア:何の変哲もない8ビートロックかと思いきや…?



ユーロビジョン2016ジョージア代表は、Nika Kocharov and Young Georgian Lolitazの「Midnight Gold」に決まりました。

何の変哲もない8ビートロックのイントロから聞き続けると、変拍子やポリリズムのように奏でるギターのリフに意表を突かれ、曲調もいつの間にか16ビートのクラブサウンドに変わって… 3分間でめまぐるしく、そして面白く展開していく楽曲となっています。決して華やかではないため、ユーロビジョンには不向きな楽曲かもしれませんが、個性的な一曲に仕上がっています。

ちなみにこの楽曲も、スウェーデンの名プロデューサーThomas G:Sonが補作曲として関わっています。


〈Nika Kocharov & Young Georgian Lolitazのプロフィール〉
Nika Kocharov & Young Georgian Lolitazは、以下の4人で編成されたインディーズロックバンドです。

 ・Nika Kocharov (ボーカル・ギター)
 ・Giorgi Marr (ベース)
 ・Levan Shanshiashvili (ギター)
 ・Dimitri Oganesian (ドラム)

ボーカルのNika Kocharovは、愛用のギターを使って作曲も行っており、2003年にはバンドのメンバーとともに映画のサウンドトラックの制作も行ったそうです。

ちなみに、作曲に使っているギターは、彼が初めてステージにたった日にプレゼントとしてもらったものを使い続けているのだとか。ギター収集が趣味だというNikaが、作曲の時には同じギターを使い続けているのには、何か特別な思い入れがあるに違いありません…

Young Georgian LolitazRoom」)


ロックサウンドの中に効果的にシンセサウンドを取り入れ、独特な世界観を作り上げている彼らは、ジョージアの放送局GPBの内部選考により選ばれ、その後5つの候補曲の中から審査員投票と視聴者投票を経て、今回の楽曲「Midnight Gold」が選出されました。


ユーロビジョン2016ジョージア代表Nika Kocharov & Young Georgian Lolitazは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Nika Kocharov & Young Georgian Lolitaz"、Wiwibloggs"GEORGIA: NIKA KOCHAROV & YOUNG GEORGIAN LOLITAZ FOR EUROVISION 2016
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