ユーロビジョン2017イタリア代表は、Francesco Gabbaniの「Occidentali's Karma(西洋人のカルマ(業))」に決まりました。

日本だか中国だか良くわからないセットにダンシングゴリラ、終盤手前の「ナマステ」コールなど、僕ら日本人からするとどこから突っ込んだら良いのか分からない位に面白い内容に仕上がっているミュージックビデオ。
実は、「西洋人のカルマ」と題されるように、ヨガや禅などといった東洋文化に傾倒していく西洋人を皮肉りながら、詞に動物学者デスモンド・モリスの著作「The Naked Ape(邦題:裸のサル)」の一節を引用することで、人類の本質を問うという、とても深い曲に仕上がっているのだそうです。哲学的な要素を含むこの楽曲は、地元メディアの間でも高く評価されているのだとか。

イタリア語が分からず、詞の本質がつかめなくても、ノリの良い曲調と面白いステージパフォーマンスで幅広く人の心をつかむ一曲となっています。


〈Francesco Gabbaniのプロフィール〉
Francesco Gabbaniは1982年9月9日に、イタリアのトスカーナ州にある都市カッラーラの小さな楽器屋さんを営む家族のもとに生まれました。 

楽器屋に生まれたということもあり、彼は早くから音楽に興味を持ち始めていたそうで、4歳の頃に初めてドラムを叩き始め、9歳の頃からギターを学び始めたのだそうです。

18歳の頃、彼はファンクバンドTRIKOBALTOのメンバーとしてレコード会社と契約を結び、本格的に音楽活動をはじめました。
 
TRIKOBALTOPREGHIERA MALEDETTA(マレデッタの祈り)」) 

MTVを始めとする数々の音楽賞で評価され、アルバムを2枚リリースし商業的にも成功を収めたTRIKOBALTOでしたが、Francescoは2010年に脱退し、ソロ活動を始めることとなりました。
 
Francesco GabbaniI dischi non si suonano(再生されないディスク)」) 

2013年に、「I dischi non si suonano」を含むアルバム「GREITIST IZ」をリリースしたFrancescoは、2015年にBMGと契約。翌2016年に発表した楽曲「Amen」が高く評価され、その年のサンレモ音楽祭で新人賞を受賞しました。
 
Francesco GabbaniAmen」)

この楽曲で、イタリアイタリア国内で25000枚を売り上げた彼は、翌2017年のサンレモ音楽祭に新曲「Occidentali's Karma」で挑みました。
 
Francesco GabbaniOccidentali's Karma」 サンレモ2017より) 

昨年のサンレモで新人賞を受賞した勢いと、歌詞を高く評価したメディアを味方につけ勢いに乗った彼は、この年のサンレモ音楽祭で優勝。見事ユーロビジョン2017イタリア代表の座を射止めることとなりました。


深くも面白い楽曲「Occidentali's Karma」を披露するFrancesco Gabbaniは、現地時間5/13に開催される決勝に出場する予定です。例年高順位につけているイタリアですが、今年は優勝の座を掴むことができるのか、要注目です。


参考:Wikipedia"Francesco Gabbani" ,RAI公式、Wiwibloggs”DESMOND MORRIS, THE ETHOLOGIST WHO INSPIRED “OCCIDENTALI’S KARMA”, WANTS FRANCESCO GABBANI TO WIN EUROVISION