ユーロビジョン2013モルドバ代表はAliona Moonの「O Mie」に決まりました。
国内予選では英語詞の「A Million」で勝ち抜いたAliona。予選で自国語詞だったものを英語に直して出場する例はよく見られますが、予選で英語詞だったものが自国語詞になって出場するというのは珍しい例ではないでしょうか。モルドバ語(≒ルーマニア語)でのモルドバ代表のエントリーは、2009年以来のことです。
〈昨年はバックコーラスで 今年はメインステージへ〉
Aliona Moonは1989年生まれ、モルドバの首都キシナウ出身の23歳です。
母の子守歌やモルドバ伝統の音楽を聞いて育ってきたというAliona。子供の頃から歌とダンスを様々なグループに混ざって活動してきたそう。
そんなAlionaが国内で注目されるきっかけとなったのが、2010年に行われたテレビのオーディション番組「Fabrica de Staruri 2 (Star Factory)」への参加でした。Alionaは優勝を逃し、3位という成績でしたが、これをきっかけにモルドバで人気を得ることとなるのです。
昨年アゼルバイジャンで開かれたユーロビジョン2012。モルドバ代表Pasha Parfenyの「Lăutar」で、Alionaもバックコーラスで参加しました。
(2012モルドバ代表 Pasha Parfeny 「Lăutar」)
実は、今年のモルドバ代表曲「O Mie」の作曲・プロデュースを手がけたのは昨年の代表だったPasha。昨年バックコーラスだったAlionaが今年はメインに、昨年メインだったPashaは今年はピアノ伴奏に、ポジションチェンジでの出場となります。
Aliona Moonは5/14の準決一日目に登場します。
〈ユーロビジョン2013 ライブパフォーマンス〉
(ユーロビジョン2013 決勝より)
〈ユーロビジョン モルドバの成績〉
モルドバは2005年にユーロビジョンに初参加します。この年の楽曲、Zdob şi Zdubの「Boonika Bate Toba(おばあちゃんがドラムを叩く)」が決勝で6位を獲得。これはモルドバの過去最高成績でもあります。
(2005年代表曲 Zdob şi Zdub 「Boonika Bate Toba」)
モルドバの決勝進出の勝敗は7勝1敗。2008年に準決勝敗退を一度経験しているのみで、2009年以降は毎年参加しています。
2010年の代表楽曲「Run Away」は、決勝での順位は22位と低かったものの、間奏などで登場するサックスプレーヤーに注目が集まっていました。
(2010年 Sun Stroke Project & Olia Tira 「Run Away」)
この楽曲に登場するサックスプレーヤーはEpic Sax Guyの愛称で人気を呼び、Facebookでコミュニティが立ち上がり、56000人が「いいね!」をクリックしているほか、iPhoneなどのスマホアプリも配信されていました。
記録より記憶に残るエントリーが多いモルドバ。
今年の準決勝は、最高得点を贈り合う仲のルーマニアとは別の組での出場となるため、ルーマニアの力無しでどこまで点を獲得できるのかに注目です。
参考:Wikipedia「モルドバのユーロビジョン・ソング・コンテスト」