ユーロビジョン2013アゼルバイジャン代表は、新人シンガーFarid Mammadovの「Hold Me」に決まりました。
Faridはアゼルバイジャンの国内予選で勝ち抜き、今回のユーロビジョンで歌手デビューを迎えます。
Farid Mammadovは1991年生まれ、アゼルバイジャンの首都バクー出身の21歳。小さい頃からポップソング、ジャズ、ソウル・ミュージックのほか、世界無形文化遺産に登録されているアゼルバイジャンの伝統音楽ムガムにも親しんできたそうです。8歳の頃にはソウル・ミュージックの道を志し、既にステージでスティーヴィー・ワンダーの楽曲をカバーして歌っていたのだそうです。
Faridは歌のほか、作詞作曲もできるそうで、アゼルバイジャンの国内予選では、自身が作詞作曲した「Gel Yanima(Come to me)」を準決勝で披露していました。
(Farid Mammadov 「Gel Yanima」)
Faridは歌のみならず、アゼルバイジャンの国技の一つレスリングやブラジルのカポエイラといったスポーツも趣味なのだとか。あのガタイはレスリングできたえられたものだったんですね。
ユーロビジョン出場に向けて公式ホームページを立ち上げたり、YouTubeに公式チャンネルを作ったり、現在はヨーロッパ中をプロモーションツアーで回って大忙しなFaridは、5/16の準決勝二日目に登場します。
参考:ESC公式、Wikipedia「ファリド・マンマドフ」
〈ユーロビジョン2013 ライブパフォーマンス〉
(ユーロビジョン2013 決勝より)
〈ユーロビジョン アゼルバイジャンの成績〉
2008年にサンマリノとともにユーロビジョンデビューを果たしたアゼルバイジャン。
初参加の2008年から決勝で8位を獲得する好スタートを切ったアゼルバイジャンは、以後毎年決勝進出し、上位5位以内にランクインし続けています。
2009年のモスクワ大会では、この曲で3位入賞を果たします。
(Aysel & Arash 「Always」)
勢いに乗ったアゼルバイジャンは、2010年には5位を獲得。
そして2011年、この曲でアゼルバイジャンは優勝を果たします。
(Ell & Nikki 「Running Scared」)
この優勝を受けて、翌年、アゼルバイジャンはバクーでユーロビジョン2012を開催。石油や天然ガスで得た豊富な資金を持つアゼルバイジャン、この大会のためにバクー・クリスタルホールを新設したことが話題になりました。
一方で、このホールへの幹線道路を整備する際に、周辺住民を強制的に退去させるといった問題も明らかになりました。さらに、長年ナゴルノ・カラバフ戦争で争い続けているアルメニアが、セキュリティー上の問題を理由に参加を取りやめたことも注目されていました。
アゼルバイジャンの光と影を投影したユーロビジョン2012バクー大会は過去最多タイの42カ国が参加し、ほぼ無事に終えることができました。
2008年の初参加以来、毎年決勝進出を決めているアゼルバイジャンは今年も決勝に駒を進められるのか!?
5/16は要注目です。
参考:Wikipedia「アゼルバイジャンのユーロビジョン・ソング・コンテスト」、「ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012」
〈アゼルバイジャンとアルメニア〉
ナゴルノ・カラバフをめぐって長年の間対立が続くアゼルバイジャンとアルメニア。
ちなみに、ユーロビジョンにおいてアゼルバイジャンとアルメニアの「場外乱闘」はかなり有名らしいようです。
特に一番話題になったのが、2009年モスクワ大会での出来事でした…
きっかけは、アルメニア代表のポストカードでした。2009年のモスクワ大会では、アルメニアのポストカード(曲間に挿入される1分前後のショートビデオ)にナゴルノ・カラバフの「我らの山」記念碑が映り込み、アゼルバイジャンが抗議。大会サイドはそれを受けて、ポストカードから問題箇所を削除します。
それに対してアルメニアは、決勝で投票結果を発表する時にバックに「我らの山」記念碑を目立つように写し、アルメニアの発表者が持っているスコアの書かれたボードにも記念碑の写真を貼り付け、何度もチラ見せするという反撃を行ったのです。
(ユーロビジョン2009 アルメニアの発表時の様子。チラ見せというか、これみよがしに、って感じですね^^;)
日本と韓国以上に険悪なアゼルバイジャンとアルメニア。YouTubeなどでも互いの楽曲を中傷し合う事が多々見られたために、現在はYouTubeのユーロビジョン公式チャンネルでは、アゼルバイジャン代表とアルメニア代表のビデオクリップのコメントが書き込めないようになっている他、ESC公式サイトの両国代表のプロフィールにも、感想が書き込めないように配慮されています。
今年の開催はスウェーデンなので、大きなぶつかり合いになることはないと願いたいのですが、どうなることでしょうか… 政治的な話題を持ち込むことが禁じられているユーロビジョンでさえ抑えきれないアゼルバイジャンとアルメニアの対立、なかなか丸く収められそうにはないようです。