E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

ギリシャ

【ESC2017】ギリシャ:ユーチューバーから人気歌手へ


ユーロビジョン2017ギリシャ代表はDemyの「This Is Love」に決まりました。

失恋から立ち上がり、次の一歩を踏みだす心情を歌うこの楽曲は、心情の変化に合わせてピアノバラード調からハイテンションなダンスミュージックへ展開する変化ある一曲となっています。

楽曲の制作には、Demyの姉妹のRomy Papadeaが作詞に関わっている他、ギリシャのヒットメイカーで国内外のユーロビジョンの楽曲を数多く手がけているDimitris Kontopoulosが作曲を手がけています。

Sakis RouvasThis Is Our Night」 ユーロビジョン2009決勝より Dimitris Kontopoulosプロデュース楽曲)


〈Demyのプロフィール〉
Demy(Dimitra Papadea / Δήμητρα Παπαδέα)は1991年8月にギリシャの首都アテネで生まれました。

弁護士の父と学校経営に携わる母の間に生まれたDemyは、5歳の頃からピアノを習い始め、進学後から合唱や音楽理論なども学び、早くから音楽の素養を身に着けていました。

しかし、父が弁護士ということもあってか、大学進学後は法律の勉強に勤しむ日々を送っていました(ちなみに、今回作詞を担当しているRomy Papadeaは、普段は父の法律事務所で弁護士として勤務しているそうです)。音楽と縁のない日々を送っている… かと思いきや、彼女は勉学の合間を縫ってYouTubeにカバーソングをアップロードしていたのです。

その動画を見たギリシャの音楽レーベルPanik RecordsはDemyをスカウト。2011年にギリシャのラッパーMidenistisのフィーチャリングアーティストとしてメジャーデビューすることとなりました。

MIDENISTIS feat. DEMYΜia Zografia」)

この楽曲はギリシャやキプロスのチャートで高順位を記録したほか、ギリシャの音楽チャンネルMAD TVの音楽祭MAD Video Music Awards2012で「最優秀ヒップホップ / アーバンミュージック賞」と「Duet Of The Year」を獲得し、高く評価されました。

スカウトされる前はテレビの前でMAD VMAを見る側だったという彼女は、「いつかこの大会に出たい」と夢見ていたそうですが、デビューから間もなくその夢を実現させたということは、彼女の実力も人気もかなり高いものであるという証拠なのではないでしょうか。

その後、Demyは立て続けにソロでシングルをリリースしますが、出したシングルが軒並みギリシャのチャートで最高1位を獲得。その勢いに乗って2012年にリリースされたファーストアルバム「#1」も題目通りの1位(国内チャート)を獲得しました。

DemyPoses Xiliades Kalokairia(How Many Thousand Summers)」 アルバム「#1」収録曲)

ユーチューバーから一気に国民的歌手に成長したDemyは、これまでに16枚のシングルと2枚のアルバムをリリースし、いずれも好調な売れ行きを見せ、2013年にはMTV EMAで「Best Greek Act」を受賞しました。
2016年には、ユーロビジョン2016ブルガリア代表Poli Genovaの楽曲「If Love Was A Crime」をギリシャ語でカバーした「Isovia Mazi」をリリースしたことも話題となりました。

DemyIsovia Mazi」Poli Genovaカバー)

歌手として人気を集めている一方で、Demyは2012年からミュージカルの舞台にも登場。「The Sound Of Music」や「Addams Family」、そしてユーロビジョンとも縁深いABBAの音楽をテーマにしたミュージカル「Mamma Mia」にも出演し、ミュージカルスターとしても活躍しています。

2017年、Demyはユーロビジョン2017ギリシャ代表として選ばれ、3つの候補曲から視聴者と海外審査員による投票の結果、「This Is Love」を歌うことが決まりました。

ユーロビジョン2017ギリシャ代表Demyは、現地時間5/9に開かれる準決勝1日目に出場します。


〈ユーロビジョンスターとDemy〉
歌手としてギリシャで人気のDemyは、ユーロビジョンスターとの共演も経験しています。
2013年のユーロビジョン国内予選Eurosong 2013では、インターバルアクトでロシアのDima Bilanと共演していました。少々緊張が伺える部分もありますが、Dimaに引けを取らない彼女の伸びやかな歌声が印象的なステージです。

Dima Bilan & DemyBelieve」 Eurosong2013より)

2016年には、カバーシングルの縁もあり、ユーロビジョン2016ブルガリア代表Poli Genovaとスペシャルコラボステージを披露しました。ギリシャ語と英語、そしてサビのブルガリア語のトリリンガルステージは必見です。

Demy & Poli GenovaIf Love Was A Crime」 Mad VMA 2016より)

昨年決勝で好成績を残したPoli Genovaや、ユーロビジョン2008の優勝者Dima Bilanと共演しているDemy。二人のレジェンドとの共演が、彼女のユーロビジョン出場の糧となっているに違いありません。本番のステージパフォーマンスも堂々とこなせることでしょう。


参考:ESC公式ESCKAZ、Wikipedia"Demy(Singer)"

【ESC2016】ギリシャ:異例の内部選考で選ばれたのは…?



ユーロビジョン2016ギリシャ代表は、Argoの「Utopian Land」に決まりました。

毎年、ギリシャ代表の楽曲は国内予選を経て決定されるのですが、今回は珍しく、内部選考で代表が決められました(なお、内部選考の基準や過程などは明らかにされておらず、Oikotimes等一部メディアから「急進左派連合に近いものから選ばれた」とも報じられています)

地中海沿岸の伝統弦楽器リラのメロディが印象的な冒頭から、オリエンタルなリズムが刻まれる主題へ繋がる展開は、例年以上にギリシャの伝統色が濃く反映されています。サビは英語詞でまとめられている一方、ラップ詞はギリシャ語で綴られているのは、英語詞のエントリーが蔓延する今年の楽曲の中で目を引くものがあります。 


〈Argoのプロフィール〉
Argoのメンバーは以下の6人で構成されています。

 ・Christina Lachana(ボーカル)
 ・Maria Venetikidou(バックボーカル)
 ・Vladimiros Sofianidis(ボーカル)
 ・Kostas Topouzis(リラ)
 ・Ilias Kesidis(バックボーカル・パーカッション)
 ・Alekos Papadopoulos(ダウール

彼らは2006年に「Europond」というバンド名でデビュー。ギリシャをはじめとするバルカン半島の音楽とヒップホップを融合させたミクスチャーバンドとして活動しています。

EuropondMose Senora」) 

Europondは2016年、「Argo」と改名しユーロビジョンのギリシャ代表として出場します。

ただ、今回の決定については、ギリシャのユーロビジョンファンメディアのOikotimesは記事のタイトルに「Unfortunately(不幸なことに)」と付けて報じており、必ずしもギリシャ国内で歓迎されているわけではないことが伺えます。

選考過程の不透明性が指摘されているだけでなく、今回「Europond」がなぜ「Argo」に解明されたのかも不透明であったり、今回の楽曲のサビ部分が、ギリシャのアーティストGlikeriaの「To diko mou paploma」に似ていると指摘されているなど、様々な疑問や疑惑が浮かび上がっており、影を落としています。
 
GlikeriaTo diko mou paploma」)

異例の内部選考の結果、様々な疑念と疑惑が巻き起こっている今回のギリシャのエントリーですが、本番では最善のパフォーマンスでオーディエンスを魅了していただきたいところです。


ユーロビジョン2016ギリシャ代表Argoのステージは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目で披露されます。


参考:ESC公式、Oikotimes"Greece 2016: Europond (unfortunately) to Stockholm","Greece 2016: is Utopian Land original enough?"、Wiwibloggs"ARGO WILL REPRESENT GREECE AT EUROVISION 2016 " 

【ESC2015】ギリシャ:久々のバラードナンバーで上位に食い込めるか…!?



ユーロビジョン2015ギリシャ代表は、Maria Elena Kyriakouの「One Last Breath」に決まりました。
ギリシャはこのところ、ノリの良いダンスナンバーのエントリーが続いていましたが、今回は2006年以来久々のバラードナンバーとなっています。

愛していた人と別れ、打ちひしがれた気持ちをエレジーのように歌い上げていますが、後半に向けての盛り上がりは必聴です。


〈Maria Elena Kyriakouのプロフィール〉
Maria Elena Kyriakouは1984年にキプロス共和国のラルナカで生まれました。 
今回ギリシャ代表として出場している彼女ですが、実は大学在学中の数年間を除いてほどんどの時期をキプロスで過ごしています。

母親はMarina Elenaを歌手にしたかったようで、13歳の頃に音楽学校へ通わすことにしたのだそうです。彼女の音楽の素養はここで身につけていくこととなったのですが、彼女自身は音楽よりも学業に専念したかったようです。

数年後、彼女はギリシャのヨアニナ大学に進学し、哲学を専攻します。進学して一年目に、彼女はギリシャの歌手Giannis Ploutarchosから歌手デビューの提案を受けていたそうですが、学業に専念すべくこれを拒否。数年後、地元キプロスの大学に転校しギリシャ文学と人文科学の学位を得て、彼女は大学教授への道を歩んでいきました。

2011年、彼女の母親はギリシャ版のアメアイGreek Idolのオーディションに申し込みをしたそうなのですが、本人は結局オーディションには出場せず。母親を始め、周囲から歌手デビューへの期待がかかっていたものの、彼女自身は学問の道を進み続けていく日々が続いたのです。

そんな彼女の人生の転機となったのは、 2014年に放送されたギリシャ版The VOICE第一シーズンへの出場でした。デビューを頑なに拒んできた彼女の歌声が、ついにお披露目されることとなったのです。

The VOICEといえば、おなじみブラインドオーディション。彼女のブラインドオーディションの模様をご覧ください。


Maria Elena KyriakouBecause of You」カバー The VOICE of Greeceより)

見事審査員4人全員を振り向かせたMaria Elena。周囲からの前々からの評判の高さを裏付ける結果となりました。彼女はその後も順当に勝ち続け、ギリシャ版The VOICEの初代優勝者となりました。

そして翌2015年。彼女はユーロビジョンのギリシャ国内予選に出場します。
 
Maria Elena KyriakouOne Last Breath」 Eurosong 2015より)

ギリシャのナンバーワンボイスに輝いた彼女は、国内予選でも高い人気を呼び、見事優勝。ギリシャ代表の座を獲得したのです。

代表として選ばれたことについて、「小さい頃からの夢がかなった」と語るMaria Elena。周囲の誘いを断ってきた裏には、デビューしたくてもできなかった何かがあったのかもしれませんね。


久々のバラードナンバーとなるギリシャ代表Maria Elena Kyriakouは、現地時間5/19に開かれる準決勝1日目に登場します。
遅咲きの実力派シンガー、ギリシャのナンバーワンボイスに要注目です。


参考:ESC公式Oikotimes、Wikipedia"Maria Elena Kyriakou"

【速報】ギリシャ代表・オーストラリア代表決定

〈ギリシャ代表はMaria-Eleni Kyriakou〉
日本時間の今日未明、ユーロビジョン2015のギリシャ代表を選ぶEurosong2015が開催され、Maria-Eleni Kyriakouの歌う「One Last Breath」が優勝しました。

Marina-Eleni KyriakouOne Last Breath」 Eurosong2015より)

例年バルカンエッセンスを絡めたダンスミュージックが選ばれることの多い中、今回はせつな系バラードソングで挑むギリシャ。5/19の準決勝1日目に登場します。

参考:ESC公式


〈オーストラリア代表はGuy Sebastian〉
guysebastianfboffisialユーロビジョン60週年を記念して特別招待枠として出場するオーストラリアの代表はGuy Sebastianに決定しました。オーストラリアの放送局SBSが今朝、シドニーのオペラハウスで発表しました。

Guy Sebastianはオーストラリア版アメアイ「Australian Idol」出身のアーティストで、2003年にこの番組で優勝した後にソニー・ミュージックと契約を結び、これまでに8枚のアルバムをリリース、累計300万枚以上のセールスを記録している、オーストラリアを代表するアーティストの一人です。

2013年にリリースしたシングル「Battle Scars」は、オーストラリアのみならず、アメリカでもプラチナ・ディスク認定を受けるヒットを飛ばし、国内外で話題となったそうです。


Lupe Fiasco & Guy SebastianBattle Scars」)

オーストラリア代表Guy Sebastianは5/23の決勝に登場します。
楽曲は後日発表される予定です。

参考:ESC公式Guy Sebastian公式Facebook

OGAE Poll 2014 今回はスイス・イタリア・ギリシャの発表

ユーロビジョンファンの国際組織OGAEの各国支部がそれぞれ今年の楽曲ベストテンを発表し、その年のナンバーワンソングを決めるというOGAE POLL 2014。今回は一気にスイス・イタリア・ギリシャの3カ国一気に発表します。まずはスイス支部からです。


〈OGAEスイス支部が選ぶ今年のナンバーワンソングは?〉
早速ですが、スイスのナンバーワンソングはこちらです。



スウェーデン独走!
これでスウェーデンは8カ国からナンバーワンソングに選ばれたことになります。 

こちらがスイスのトップテンです。

 1. スウェーデン
 2. イスラエル
 3. ハンガリー
 4. スペイン
 5. アルメニア
 6. ノルウェー
 7. ドイツ
 8. イギリス
 9. ギリシャ
 10. オーストリア


続いてはイタリア支部の発表です。


〈OGAE Poll 2014 イタリア支部のナンバーワンソングは…〉
今回は、先にトップテンを発表します。
(これでイタリア支部のナンバーワンソングをお察しいただけると助かります…(笑))

 1. スウェーデン
 2. スペイン
 3. モンテネグロ
 4. オーストリア
 5. アルメニア
 6. イスラエル
 7. ハンガリー
 8. イギリス
 9. スイス
 10. スロベニア

…というわけで、スイスに続いてイタリア支部でもナンバーワンソングに選ばれたのはスウェーデンでした。
(動画は割愛させていただきます…)

スウェーデン、強すぎます…!!


それでは最後に、ギリシャ支部の発表に移ります。
ギリシャ支部はどの曲をナンバーワンソングに選んだのでしょうか?


〈OGAE Poll 2014 ギリシャ支部の選ぶナンバーワンソングはこの曲!〉
今回最後の発表はギリシャ支部です。
ギリシャ支部は果たしてどの曲をナンバーワンソングに選んだのでしょうか?

OGAEギリシャ支部の選ぶ今年のナンバーワンソングは… こちらです!


ナンバーワンソングに選ばれたのはイスラエルでした!
イスラエルがナンバーワンソングに選ばれたのは、ギリシャで二カ国目となりますが、着実にポイントを重ねているイスラエルの票の伸びは、これからも要注目です。

こちらがギリシャ支部のトップテンです。

 1. イスラエル
 2. スウェーデン
 3. ハンガリー
 4. アルメニア
 5. オーストリア
 6. ロシア
 7. イタリア
 8. イギリス
 9. ベルギー
 10. ノルウェー


さて、三カ国の発表後の総合順位ですが、スウェーデンが159ポイントと二位以下を大きく引き離しトップ独走、オーストリアが99ポイントで2位につけ、イスラエルが98ポイントと僅差で3位につけています。
スウェーデンの大幅な票の伸びも注目ですが、イスラエルがじわりと票を伸ばし、Conchita Wurstの背中を完全に捉えているところにも注目です。

The 2014 OGAE International ESC Pollの結果詳細は、公式サイトでも順次公開されていますので、そちらのチェックしてみてください。


参考:ESC Today”OGAE Poll 2014: 12 points from Switzerland go to…”、”OGAE Poll 2014: Italy is next to vote!”、”OGAE Poll 2014: Kalispera! Greece calling…” 
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