E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

ベルギー

【ESC2017】ベルギー:味のあるThe Voice Blanche


ユーロビジョン2017ベルギー代表は、Blancheの「City Lights」に決まりました。

フラマン語圏(ベルギー北部)とワロン語圏(ベルギー南部)の各放送局が一年交代で代表を選出しているベルギーですが、今年はワロン語圏の放送局RTBFの内部選考で選ばれました。2015年に「ユーロビジョンらしくない」と言われていた楽曲「Rhythm Inside」で見事決勝進出を決めたRTBFらしい選曲センスが今年も光っています。

「儚く、気だるさを感じさせる彼女の声に惚れた」と語るシンガー・ソングライターのPierre Dumoulinによって書かれたこの楽曲は、元々ユーロビジョン向けに作られた楽曲ではなかったということもあり、「ユーロビジョンらしさ」よりBlancheの声を活かした楽曲に仕上がっています。


〈Blancheのプロフィール〉

BlancheThinking Out Loud」Ed Sheeranカバー)

Blanche(Ellie Delvaux)は1999年6月に、ベルギーの首都ブリュッセルで生まれました。

彼女は2016年にベルギー・ワロン語圏で放送されたベルギー版The Voice第5シーズンのオーディションに挑戦し、アーティストとしての道を歩み始めます。

BlancheDaydreamer」Adeleカバー The Voice Belgique第5シーズンより)

序盤、緊張のせいなのかテンポが若干乱れてしまいましたが、独特の歌声で審査員を魅了し、最後の最後で2組の審査員を振り向かせ、オーディションを突破します。その後、バトルラウンドも通過し決勝ラウンドまで進んだものの、第2週で敗れてしまいます。

しかし、この番組を視聴していたベルギーのシンガー・ソングライターで、バンドRoscoeのリーダーのPierre Dumoulinの耳に止まり、二人は出会うことになりました。

RoscoeEnemies」 2012年発表 ※この楽曲にはBlancheは出演していません)

二人が出会った翌日にPierreは「City Lights」のデモを完成させます。当初は4分程度のアンビエントな楽曲だったのだそうで、歌詞も現在の英語ではなく、架空言語で歌っていたのだそうです。

プロデューサーTim Branの手によりブラッシュアップが図られ、現在の形にまとまった「City Lights」は、RTBFの内部選考でユーロビジョン2017ベルギー代表楽曲として選ばれました。
当初からユーロビジョンを念頭に置かずに楽曲制作を行っていた二人は、他の大物アーティストが代表に選ばれるのではないかと思っていたらしく、この決定を大変驚いていたのだそうです。

3月初旬に発売された「City Lights」は、ワロン語圏のチャート(2017年4月現在最高17位)のみならず、フラマン語圏のチャートにも上位にランクイン(同最高12位)しました。ワロン語圏から選出されたユーロビジョンの楽曲が、開催前にフラマン語圏のチャート上位にランクインするのは初めてのことであるとWiwbloggsで伝えています。

3/22には、昨年ブリュッセル空港で起きた爆発テロ事件の犠牲者を追悼するコンサートに、フラマン語圏を中心に活動している歌手Stan Van Samangと共演しました。

Blanche and Stan Van SamangLittle Moon Rises」 22 mars ensembleより)

近年両言語圏で独立の気運が高まっているベルギーで、「City Lights」が双方のチャートにランクインし、追悼コンサートでフラマン語圏のアーティストとの共演を果たした彼女は、双方の橋渡し役も担えるのではないかと期待してしまいます。


両言語圏でスマッシュヒットを飛ばしている「City Lights」でデビューを飾る新人アーティストBlancheは、現地時間5/9に開かれる準決勝1日目に出場します。


参考:ESC公式、Wikipedia"Blanche (singer)"、Wiwibloggs"WATCH: BLANCHE PAYS TRIBUTE TO BRUSSELS TERROR VICTIMS WITH STAN VAN SAMANG"

【ESC2016】ベルギー:プレッシャーも何のその!? ゴキゲンなファンクチューン登場



ユーロビジョン2016ベルギー代表は、Laura Tesoroの「What's The Pressure」に決まりました。
スラップベースがゴキゲンに跳ね上がるファンクナンバーで、聞いていると自然に体が動き出してしまう位にノリの良い一曲に仕上がっています。

まだ19歳とは思えない、ハスキーでパワフルな歌声も印象的です。


〈Laura Tesoroのプロフィール〉
Laura Tesoroは1996年にベルギーのフランドル地方で生まれました。

2008年にベルギーのサスペンス・ドラマ「Witse」での出演以降、Lauraは役者の道を進んでいきました。
テレビドラマへの出演だけでなく、「Annie」などミュージカルの舞台にも挑戦していく中で、彼女は演技だけでなく歌唱力も磨いていき、2009年にはジュニアユーロビジョンのベルギー国内予選にも挑戦しました。

ミュージカルで歌唱力の高さを見せつけていた彼女ですが、2014年にベルギーのフラマン語圏で放送されたThe Voice van Vlaanderen第三シーズンへの出場をきっかけに、「歌手」としても注目を集めることとなりました。

この番組では決勝で2位となり、惜しくも優勝を逃してしまいましたが、この年にシングル「outta Here」をリリースし、歌手デビューを果たしました。

Laura Tesorooutta Here」)

2015年の秋、彼女はユーロビジョンのベルギー国内予選「Eurosong 2016」への出場を表明。2016年1月に国内予選の舞台に立つこととなりました。

Laura TesoroWhat's The Pressure」 Eurosong2016より)

彼女は決勝でのこのパフォーマンスで、視聴者投票と海外審査員投票の双方からトップの得票率を得て優勝。ベルギー代表の座を勝ち取りました。


現在もテレビドラマで女優として活躍しながら、歌手としても活躍を続けているLaura Tesoroは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。

この曲のタイトルのように、プレッシャーを跳ね除けたパワフルなステージに期待したいですね。


参考:Wikipedia"Laura Tesoro"

【ESC2015】ベルギー:男性版Lorde? 繊細で力強い少年ボイスは必聴!



ユーロビジョン2015ベルギー代表はLoïc Nottetの「Rhythm Inside」に決まりました。

冒頭のイントロといい、随所でLordeの影響を匂わす楽曲となっていますが、サビの男性ならではの力強いボイスは彼自身の色を強く打ち出したものといえるのではないでしょうか。


〈Loïc Nottetのプロフィール〉
loicnottetLoïc Nottetは1996年にベルギー中部、ワロン語(≒フランス語)圏にある都市クールセルに生まれました。
オーストラリアの歌手Siaに憧れて歌手を志したというLoïc。実は彼の父親は歌手ではなく、フットボールの選手になって欲しかったのだとか。ミュージックビデオにフットボール選手の格好をした男の子が出てくるのは、こういう関係もあったりするのでしょうか?

彼がベルギー中の注目を集めるきっかけになったのが、2013年に放送されたベルギー版The VOICEへの出演でした。
ベルギー版The VOICEといえば、ユーロビジョン2013でベルギー代表として出場したRoberto Bellarosaを輩出した番組でもありますが、Loïcは果たしてこの番組名物のブラインドオーディションで何人の審査員を振り向かせることができたのでしょうか…?
 
Loïc NottetDiamonds」カバー The VOICE Belgiqueより) 

リアーナの名曲「Diamonds」でブラインドオーディションに臨んだ彼は、最後に見事4人全員を振り向かせることとなりました。 その後彼はバトルステージも勝ち抜き、決勝へ進出したものの、惜しくも優勝を逃し、4位に終わってしまいました。 

しかし、この番組での活躍をきっかけにLoïcはSony Musicと契約し、歌手デビューを果たしたのです。

念願の「歌って踊れる」歌手デビューを果たしたLoïcに嬉しい出来事が舞い込んだのは2014年のこと。
彼が敬愛するアーティストSiaの楽曲「Chanedelier」 のカバーを動画サイトなどでアップしたところ、なんとSia本人がツイッターでリツイートしてくれたのです。
 
Loïc NottetChanedelier」カバー Siaのオリジナル版はこちら

Siaの拠点であるオーストラリアといえば、ユーロビジョンの熱狂的なファンが多い国の一つで、60週年を迎える今大会では準決勝の投票にも参加することにもなっています。この出来事が、Loïcの決勝進出の後押しにもなるかもしれません。 


ユーロビジョン2015ベルギー代表Loïc Nottetは、現地時間5/19に開かれる準決勝1日目に出場します。
「あえてユーロビジョンらしくない曲で」という意向で、彼自身が作曲した楽曲「Rhythm Inside」。
この判断が吉と出るか凶と出るか!? Siaのファンたちの投票動向は!?
注目の一曲となりそうですね。 


参考:ESC公式 、Wikipedia"Loïc Nottet"、RTBF

「Mother」ミュージックビデオ公開

〈「Mother」ミュージックビデオ公開〉
ユーロビジョン2014ベルギー代表Axel Hirsouxの「Mother」のミュージックビデオが公開されました。

(Axel Hirsoux 「Mother」)

何かストーリーめいたものが込められているわけではなく、劇場に集った沢山の「母」の前でAxelが歌を披露するという内容のビデオクリップになっています。シンプルな構成ですが、グッと胸に来るものがあります。

6月にアルバムリリースが控えているベルギー代表Axel Hirsouxは、 5/6の準決勝1日目に出場します。


参考:oikotimes"VIDEO: AXEL PRESENTS HIS OFFICIAL VIDEO" 


〈OGAE Poll 2014 ロシアが選ぶナンバーワンソングは?〉
連日発表が続いているOGAE Poll 2014ですが、今回はロシア支部の発表です。
ロシア支部の選ぶ今年のナンバーワンソングとトップテンは果たして…?

こちらが、ロシアの選んだ今年のナンバーワンソングです。


なんと! 不屈の歌姫サンマリノ代表Valentina Monettaが選ばれました!! 
サンマリノは今回はじめてナンバーワンソングに選ばれました。

OGAEロシア支部のトップテンはこちらです。

 1. サンマリノ
 2. ハンガリー
 3. ベラルーシ
 4. アイスランド
 5. オーストリア
 6. アゼルバイジャン
 7. イタリア
 8. エストニア
 9. グルジア
 10. ラトビア

本番の投票では、ロシアを始めとする旧ソ連各国も、北欧の国々の様に互いに票を入れ合う傾向があります。
今回の結果でも、3位、6位、8位、9位、10位に5カ国もランクインしています。
ただ、やはりウクライナが選ばれていません。近年の関係悪化の影響もあるのでしょうか?
本番も同様の傾向となるのか、注視したいところです。

さて、各国支部が発表したトップテンは、本番のユーロビジョンのように点数化され、それらの合計によって今年のOGAEナンバーワンソングが決定されます。今のところ、 スウェーデンが216ポイントでダントツトップ、ハンガリーが139ポイントを獲得し2位に、オーストリアが136ポイントで3位につけています。 

The 2014 OGAE International ESC Pollの結果詳細は、公式サイトでも順次公開されていますので、そちらのチェックしてみてください。


参考:ESC Today"OGAE Poll 2014: 12 points from Russia go to…

【ESC2014】ベルギー:母を思う気持ちに言葉の壁はない! ハートフルボイスの持ち主 Axel Hirsoux


ユーロビジョン2014ベルギー代表は、Axel Hirsouxの「Mother」に決まりました。

時に道標となり、時に背中をポンと押してくれて、そして時には自分をかばってくれたり、遠くから優しく見守ってくれていた、そんな母への感謝の気持ちを、美しく熱い声で歌い上げています。

歌詞
に「もう一度」というフレーズが散りばめられていているので、「ひょっとしてこの歌詞に出てくる『母』はもうこの世にいないのでは?」と考えて聴くと、ちょっと泣けてくる感じにもなってしまいます… 


〈Axel Hirsouxのプロフィール〉
Axel Hirsouxは1982年に、ベルギーのワロン地域にある小さな町クールセルに生まれました。 
幼少の頃から音楽に親しんでいた彼は、トランペットをきっかけに音楽の素養を身につけていったそうです。 

2001年に歌のコンテストに出場した次の年から、ボーカルコーチに付いて本格的に歌唱の勉強やトレーニングを行い、現在のような高く伸びる声を身につけていくようになります。

23歳の頃、彼はフランス版Star Academyに出場するも落選。昨年にはベルギー版The VOICEに出場し、ブラインドオーディションは通過したものの、次のバトルで敗退。オーディションで2度も落選するという痛手を負ってしまいます。

2度も決勝に届かず敗退してしまうと、さすがに気が折れてしまいそうなのですが、彼は「ユーロビジョンに出場したい」という夢にかけ、フラマン地域で行われた今年の国内予選に出場。準決勝を見事クリアし、決勝の視聴者投票で57%の支持を獲得し、海外審査員からも4人から12ポイントを獲得する好成績を収め、見事優勝に輝きました。

国内予選について彼はインタビューで、「ワロン地域出身の僕がフラマン地域で行われた予選で決勝に残るとは思っていなかった」と振り返っています。2度もオーディションに落ちた自分が、自分にとってアウェーの地で初の栄冠を獲得し、さらに夢のユーロビジョンにも出場できることを、信じられない気持ちでいたようです。

ベルギーでは古くから、フランス語系話者の住むワロン地域(南部)とオランダ語系話者の住むフラマン地域(北部)に分かれていて、分離独立の機運が高まる事もしばしばあるのですが、彼のハートフルな歌声には両者のわだかまりをも超えるものがあったと言えるのではないでしょうか。これだけの力があれば、準決勝突破も夢ではないと思います。

挫折も言葉の壁も超えてベルギー代表の座を獲得したAxel Hirsouxのステージは、5/6の準決勝1日目で披露されます。リス・アシアとルスラナ、二人のユーロビジョン優勝者の心を掴んだ彼のパフォーマンスは要注目です。


〈ライブパフォーマンス〉

(ユーロビジョン2014 準決勝1日目より)


参考:ESC公式、Wikipedia”Axel Hirsoux
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