E.S.Cheers!! - #Eurovision 2017-

ヨーロッパで開催される年に一度の音楽祭ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の最新情報などをお届けします。

準決勝2日目

【ESC2017】セルビア:恋に果てなく落ちていく… 「In Too Deep」


ユーロビジョン2017セルビア代表はTijana Bogićevićの「In Too Deep」に決まりました。

ふとしたきっかけで始まった恋にどんどん落ちていく気持ちを歌い上げたこの曲は、セルビアの過去の代表曲とはまた違ったモダンでアップテンポな楽曲に仕上がっています。個人的には、Aメロで聞こえてくるマリンバのリフがお気に入りです。

楽曲制作にはBorislav Milanov(2016年ブルガリア代表曲「If Love Was A Crime」ほか)、Joacim Persson(2017年マケドニア代表曲「Dance Alone」ほか)、Lisa Desmond、Johan Alkenaesの4名が関わっています。
いずれも世界的に活躍している方々ですが、特にLisa Desmondは、J-POPアーティストのE-girlsや安室奈美恵、西野カナなどの楽曲プロデュースにも多数関わっており、J-POP好きの方々にも馴染みのある作曲家なのではないかと思います。

E-girlsMr. Snowman」 Lisa Desmondプロデュース楽曲)


〈Tijana Bogićevićのプロフィール〉

Tijana BogićevićTražim(探求)」 2010年リリース楽曲)

Tijana Bogićevićは1981年11月にセルビア北部の街ノヴィ・サドで生まれました。

幼い頃から音楽の才能の頭角を現していたという彼女は、2001年からバンドのバックボーカリストとして本格的な音楽活動を始める事になりました。

セルビアのミュージシャンVlado Georgievのもとでバックボーカリストとして働く傍ら、Tijana自身がメインボーカルを務めるバンドも結成し、セルビア各地のライブハウスなどで歌声を披露していたといいます。

2009年、彼女はセルビアで開催されたユーロビジョン国内予選Beovizija 2009に出場。準決勝敗退という結果となってしまいましたが、これをきっかけにTijanaはソロシンガーとしての音楽活動を本格的に始めることとなりました。

Tijana BogićevićPazi šta radiš(足元に気をつけて)」Beovizija 2009)

2010年にリリースしたシングル「Tražim」がヒットし知名度を上げた彼女は、ユーロビジョン2011セルビア代表Ninaのバックボーカルとして、ユーロビジョンの舞台に上がることとなりました。

NinaČaroban(奇蹟)」 ユーロビジョン2011より)

アメリカに居住を移したために、セルビアでのメディアの露出は比較的少ないと言われているTijanaですが、2013年から2014年にかけて精力的にシングルをリリースし、アーティストとのコラボレーションを行っていく中でトップアーティストとしての地位を確立していきました。

Tijana BogićevićTijanina」RTS Tri boje zvukaより)

2017年。彼女はセルビアの放送局RTSの内部選考により、ユーロビジョン2017セルビア代表に選ばれました。

Tijana Bogićević feat. Sing-Sing(Mark Robertson)In Too Deep」slow version)


ユーロビジョン2017セルビア代表Tijana Bogićevićは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。
大のユーロビジョンで、「小さい頃から出場することが夢だった」と語る彼女のライブパフォーマンスに要注目です。


参考:ESC公式、Wikipedia"Tijana Bogićević"、EurovisionBelgium"Get to know... TIJANA BOGIĆEVIĆ from SERBIA(YouTube)"

【ESC2017】アイルランド:ボーイバンド出身シンガー登場


ユーロビジョン2017アイルランド代表はBrendan Murrayの「Dying To Try」に決まりました。

少年のように繊細でかつ伸びやかなハイトーンボイスで歌い上げるこのラブバラードには、Britney SpearsやWestlife、Kelly Clarksonなど著名なアーティストへ楽曲提供を行っているスウェーデン出身の作曲家Jörgen Elofssonが作詞作曲に関わっています。

Britney Spears(You Drive Me)Crazy」 Jörgen Elofssonプロデュース作品)


〈Brendan Murrayのプロフィール〉

Brendan MurrayChandelier」Siaカバー)
Brendan Murrayは1996年11月にアイルランド西部の街ゴールウェイで生まれました。

13歳の頃からギターを始めていたという彼は、ゴールウェイの通りでバスキング(路上や駅など、公共の場所で音楽や大道芸などを披露すること)を行い、実力を培ってきたのだそうです。バスキングといえば、今年のスロベニア代表Omar Naberもロンドンでやっていましたね過去記事参照)

少年バスカーBrendanがメジャーの舞台へ登るきっかけとなったのは、2014年に音楽マネージャーLouis Walshがプロデュースした6人組ボーイバンドHometownへの加入でした。

HometownWhere I Belong」)

2014年にシングル「Where I Belong」をリリースし、アイルランドの音楽チャートで1位を獲得した彼らは、翌2015年にアルバム「Hometown」をリリースし、国内チャート最高4位を記録。一躍人気アーティストの仲間入りを果たしたのです。

HometownCry For Help」 The VOICE of Irelandより)

しかし2016年。Hometownはメンバー個々のソロ活動への移行を理由に無期限の活動休止を発表。これに伴い、Brendanもソロアーティストとしての活動を始めることとなったのです。

今回、アイルランドの放送局RTEの内部選考で選ばれた楽曲「Dying To Try」は、Brendaのソロ後初のシングルとして2017年3月にリリースされました。

Brendan MurrayDying To Try」 Israel Calling 2017より)


ユーロビジョン2017アイルランド代表Brendan Murrayは現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。
彼の持ち味ハイトーンボイスで低迷が続くアイルランドを救うことができるのか、必見です。


参考:ESC公式、Wikipedia"Brendan Murray","Hometown(band)"

【ESC2017】リトアニア:実力派エレクトロユニットFusedmarc


ユーロビジョン2017リトアニア代表はFusedmarcの「Rain Of Revolution」に決まりました。

リズミカルなベースが印象的な冒頭から、ブラスサウンドが加わりパワフルなボーカルとドラムが炸裂するサビに至る非常にダイナミックで、正に「roller coaster」のような展開が特徴的なこの楽曲は、FusedmarcのメンバーとリトアニアのミュージシャンMichail Levinの共同制作で作られました。

楽曲とともに注目すべきはステージの演出です。Fusedmarcは音楽と視覚を駆使して観客に訴えかける演出を得意としているユニットで、今回の国内予選でも、回転するような水しぶきや火花を効果的に見せ、曲に更なる力を添えるステージを展開しました。本番ではどんな演出で魅了するのか、大いに期待されます。


〈Fusedmarcのプロフィール〉

Fusedmarc feat. Andrius MamontovasSign」)

Fusedmarcは2004年にリトアニアの首都ビリニュスで結成されたエレクトロユニットで、以下の3名で構成されています。

 ・Viktorija Ivanovskaja(Cilia / メインボーカル / 1978年9月生まれ)
 ・Denisas Zujevas(Vakx or Nurasho / ギター、ベース、プログラミング、作曲)
 ・Stasys Žakas(Syrtha / 作曲、総合演出)

この3人のメンバーのうち、CiliaとVakxの2人がステージパフォーマンスを披露し、Syrthaは演出を含めプロデュースに専念するという形態で活動を行っています。

ボーカルのCiliaはかつて、音楽ユニットSaulės kliošasのボーカルとして2000年から活動していましたが、2004年にグループを抜け、Fusedmarcに加入しました。

(Saulės kliošasライブパフォーマンス 2002年放送 リトアニアの音楽番組「Auksinės melodijos」より)

ユニット結成後の翌年、Fusedmarcはアルバム「Contraction」をリリースしましたが、テレビやラジオ局への売り込みといったメディアへの積極的な露出は行わず、ライブ活動を通して自身の音楽性を研ぎすませていきました。

Fusedmarc ファーストアルバム「Contraction」)

音楽スタイルと共にライブ活動で磨き上げていったのは視覚的な演出でした。リズムや曲調、サウンドエフェクトに合わせたライティング等にこだわったFusedmarc独特のステージ演出は広く評判を呼び、国内のみならず、ドイツ、フランス、オランダ等ヨーロッパ各国のライブ会場でも披露されたそうです。

FusedmarkTWIN」ライブパフォーマンス)

独自の音楽性を築いてきた彼らは、2017年にユーロビジョンの国内予選に挑戦しました。

FusedmarcRain Of Revolution」 ユーロビジョン2017リトアニア国内予選より)

この国内予選を通して「2,3度私たちの曲を聞いてもらうと支持してもらえることがわかった」と手応えを掴んだ彼らは2度の予選ラウンドを通過し、決勝で視聴者・審査員双方から最高得点を獲得し優勝。ユーロビジョン2017リトアニア代表の座を掴みました。


ユーロビジョン2017リトアニア代表Fusedmarcは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。
「楽曲制作が始まった頃から、私たちのゴールはキエフに行ってユーロビジョンで優勝することだった」と語る彼らが決勝進出を決めることができるのか、要注目です。


参考:ESC公式ESCKAZ、Wiwibloggs"“RAIN OF REVOLUTION” LYRICS — FUSEDMARC (LITHUANIA, EUROVISION 2017)"、Wikipedia"Fusedmarc(英語 / リトアニア語)"、Soundcloud

【ESC2017】エストニア:ベテラン二人組のデュエットバラード


ユーロビジョン2017エストニア代表は、Koit Toome & Lauraの「Verona」に決まりました。

個人的にはユーロビジョンに欠かせないジャンルだと思っているデュエットバラードですが、今年のデュエットバラードはエストニアを代表するプロデューサーで、Vanira NinjaやUrban Symphonyなどエストニアを代表するアーティストへの楽曲提供も行っているSven Lõhmusが制作しました。彼の楽曲は度々ユーロビジョンのエストニア代表楽曲にも選ばれています。

Urban SymphonyRändajad」 ユーロビジョン2009決勝より Sven Lõhmusプロデュース楽曲)

今年のエストニア代表は、二人ともエストニア国内での人気が高く、ユーロビジョンへの出演経験もあるベテランコンビです。


〈Koit Toomeのプロフィール〉
Koit Toomeは1979年1月にエストニアの首都タリンで生まれました。
彼は1995年に男女二人組のユニットCode Oneのメンバーとして音楽活動を開始します。

Code OneKuum」)

ユーロビート調のアップテンポなダンスナンバーで数々の楽曲を発表し、人気絶頂に至ったCode Oneは1998年に解散。それに伴いKoitはソロ活動に転じます。

1998年、彼はソロとしてユーロビジョン1998エストニア代表に選出されました。

Koit ToomeMere lapsed(海の子どもたち)」 ユーロビジョン1998より)

ユニット時代とは打って変わって、優しいバラードを歌い上げたKoitは、この大会で12位の成績を残しました。

Koitはその後も歌手として、アルバムリリースなど活動を続けていましたが、2001年からはミュージカル俳優として「ミス・サイゴン」や「ウエストサイド物語」等数々のステージに出演した他、エストニア版Dancing with the Starsで優勝したり、ディズニー映画「カーズ」エストニア版で主役の声をあてるなど、音楽以外にも幅広く芸能活動を行い、活躍しています。


〈Lauraのプロフィール〉
Laura(Laura Põldvere)は1988年8月にエストニア第二の都市タルトゥで生まれました。

2005年にユーロビジョンの国内予選Eurolaulに出場し、歌手活動を始めたLaura。「Moonwalk」という楽曲で挑んだ彼女でしたが、結果は2位となり、エストニア代表の座を逃した… かに見えましたが、実は彼女、この大会で優勝したユニットSuntribeにも加入していたため、ユニットのメンバーとしてユーロビジョン2005のステージに立つこととなったのです。

SuntribeLet's Get Loud」 ユーロビジョン2005準決勝より)

その後、2007年に再度ソロで国内予選に挑むも、結果は3位となり、惜しくも代表の座を逃してしまいます。この年にファーストアルバム「Muusa」をリリースした彼女は、その後アメリカのバークリー音楽大学へ留学し、音楽活動をしばし中断します。

2009年、エストニア国内予選Esti Laulへの出場を皮切りに歌手活動を再開したLauraは、2013年にラトビアのリガで開催された国際ジャズ歌謡祭で準優勝をかざるなど、実力をさらに備えていきました。

そして2016年、ソロとして4度目の国内予選に挑戦したLauraでしたが、またしても結果は2位となり、優勝の座をJüri Pootsmannに譲ることとなってしまいます。

LauraSupersonic」 Esti Laul2016より)


そして2017年。Koit ToomeとLauraはペアでEsti Laulに出場し優勝。ユーロビジョン2017エストニア代表の座を勝ち取りました。

Koit Toome & LauraVerona」 Esti Laul2017決勝より)


ユーロビジョン2017エストニア代表Koit Toome & Lauraは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。
実力派シンガー二人によるデュエットバラードは必聴です


参考:ESC公式、Wikipedia"Koit Toome","Laura Põldvere(英語 / エストニア語)"

【ESC2017】デンマーク:豪州ナンバー1・ボイスが悲願の母国代表に


ユーロビジョン2017デンマーク代表は、Anjaの「Where I Am」に決まりました。

好きな人への愛をパワフルに歌い上げているこのパワーバラードは、オーストラリア版Xファクター第4シーズンで圧倒的な歌唱力を見せつけていたAngel Tupaiらとの共同制作で作られた楽曲で、Anjaのパワーある歌声が活かされた作品に仕上がっています。


〈Anjaのプロフィール〉
Anja(Anja Nissen)は1995年11月にオーストラリアのシドニーから西へ80kmほどに位置する街ウィンマリーで生まれました。

生まれはオーストラリアですが、両親ともにデンマーク系の移民であったため、デンマークに住む親族も多く、両親の故郷デンマークへのあこがれを幼い頃から強く抱いていたといいます。オーストラリアでも放送されていたユーロビジョンを見て育った彼女は、11歳の頃から「デンマーク代表としてユーロビジョンに出場したい」という夢も描いていたのだそうです。

Anjaは早くから歌の才能を開花させていて、12歳の頃にはオーディション番組Australia's Got Talent第2シーズンに出場し、今に通じるパワフルボイスを披露していました。

AnjaCircle Of Life」ライオンキング・サウンドトラックより Australia's Got Talent第2シーズンより)

その後もオーストラリアの様々なテレビ番組に出演してきたAnjaですが、夢に大きく近づくきっかけとなったのは、2014年に放送されたオーストラリア版The Voice第3シーズンへの出場でした。

AnjaVanishing」Mariah Careyカバー The Voice Australia第3シーズンより)

ここでも持ち前のパワフルな歌声を披露した彼女は、審査員を次々と振り向かせていき、最後にはwill.i.amが足でボタンを押し、全員を振り向かせることに成功。オーディションに合格しました。
その後、最後に振り向いたwill.i.amのチームに就き、Anjaは次々とステージを登りつめ、この番組で優勝しました。

番組への出演後、彼女は番組でメンターを務めたwill.i.amらと組み、楽曲「I'm So Excited」を発表して本格的な歌手活動をはじめました。

AnjaI'm So Excited」Feat. will.i.am, Cody Wise)

オーストラリアでシングルリリースやコンピレーションアルバムへの参加など、精力的な音楽活動を行ってきた彼女ですが、幼い頃からの夢をかなえるべく、2016年にデンマークのユーロビジョン国内予選Dansk Melodi Grand Prixに出場しました。

AnjaNever Alone」 Dansk Melodi Grand Prix2016より)

評価が非常に高かった楽曲であったものの、決勝で2位という非常に惜しい結果となり、この年のデンマーク代表の座はLighthouse Xに譲ることとなってしまいました…

しかし、彼女はここで夢を諦めることなく、2017年に再度デンマークの国内予選に挑戦し、見事優勝。「デンマーク代表としてユーロビジョンに出場する」という夢を叶えることになったのです。

AnjaWhere I Am」 London Eurovision Party 2017より)


ユーロビジョン2017デンマーク代表Anjaは、現地時間5/11に開かれる準決勝2日目に出場します。


参考:ESC公式"Denmark is where it's at for Anja","About Anja"、Wikipedia"Anja Nissen"
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