ユーロビジョン2016ギリシャ代表は、Argoの「Utopian Land」に決まりました。
毎年、ギリシャ代表の楽曲は国内予選を経て決定されるのですが、今回は珍しく、内部選考で代表が決められました(なお、内部選考の基準や過程などは明らかにされておらず、Oikotimes等一部メディアから「急進左派連合に近いものから選ばれた」とも報じられています)。
地中海沿岸の伝統弦楽器リラのメロディが印象的な冒頭から、オリエンタルなリズムが刻まれる主題へ繋がる展開は、例年以上にギリシャの伝統色が濃く反映されています。サビは英語詞でまとめられている一方、ラップ詞はギリシャ語で綴られているのは、英語詞のエントリーが蔓延する今年の楽曲の中で目を引くものがあります。
〈Argoのプロフィール〉
Argoのメンバーは以下の6人で構成されています。
・Christina Lachana(ボーカル)
・Maria Venetikidou(バックボーカル)
・Vladimiros Sofianidis(ボーカル)
・Kostas Topouzis(リラ)
・Ilias Kesidis(バックボーカル・パーカッション)
・Alekos Papadopoulos(ダウール)
彼らは2006年に「Europond」というバンド名でデビュー。ギリシャをはじめとするバルカン半島の音楽とヒップホップを融合させたミクスチャーバンドとして活動しています。
(Europond 「Mose Senora」)
Europondは2016年、「Argo」と改名しユーロビジョンのギリシャ代表として出場します。
ただ、今回の決定については、ギリシャのユーロビジョンファンメディアのOikotimesは記事のタイトルに「Unfortunately(不幸なことに)」と付けて報じており、必ずしもギリシャ国内で歓迎されているわけではないことが伺えます。
選考過程の不透明性が指摘されているだけでなく、今回「Europond」がなぜ「Argo」に解明されたのかも不透明であったり、今回の楽曲のサビ部分が、ギリシャのアーティストGlikeriaの「To diko mou paploma」に似ていると指摘されているなど、様々な疑問や疑惑が浮かび上がっており、影を落としています。
(Glikeria 「To diko mou paploma」)
異例の内部選考の結果、様々な疑念と疑惑が巻き起こっている今回のギリシャのエントリーですが、本番では最善のパフォーマンスでオーディエンスを魅了していただきたいところです。
ユーロビジョン2016ギリシャ代表Argoのステージは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目で披露されます。
参考:ESC公式、Oikotimes"Greece 2016: Europond (unfortunately) to Stockholm","Greece 2016: is Utopian Land original enough?"、Wiwibloggs"ARGO WILL REPRESENT GREECE AT EUROVISION 2016 "