ユーロビジョン2014オーストリア代表は、Conchita Wurstの「Rise Like a Phoenix」に決まりました。
彼女(彼?)の見た目はかなり特徴がありますが、歌声の素晴らしさには見た目のインパクトを超えるものがあると思います。


〈Conchita Wurstのプロフィール〉
Conchita Wurst(本名:Thomas "Tom" Neuwirth)は1988年に、オーストリアのグムンデンに生まれました。

conchita彼が一躍注目を集めるようになったのは、2007年にオーストリアで放送されたオーディション番組「Starmania」でした。このオーディション番組で彼は他のオーディション参加メンバーとボーイアイドルグループ「Jetzt Anders!」を結成し、人気を博したそうです。

ちなみに、この左の写真でマイクを持っている男の子がTomです。当時はおしゃれなイケメンさんだったんですね! 画像をクリックするとYouTubeで当時の彼らの映像をチェックできますので、見てみてください。

しかし、このボーイグループも年内に解散。彼はしばらく芸能活動から遠のくこととなります。

SC_conchita_09彼が再び芸能活動を始めたのは2011年のユーロビジョン国内予選でのこと。彼がConchita Wurstを名乗り、今のルックスになったのもこの年からでした。

結局この年の国内予選で彼女は決勝で2位という成績となり、惜しくも代表の座を逃してしまいましたが、彼女のルックスと歌唱力に多くの注目が寄せられるようになりました。

国内予選での活躍後、彼女は音楽以外で話題となりました。危険で誰もやりたがろうとしない仕事を身を持って体験する「The hardest Jobs of Austria」や、アフリカのナミビアでサバイバル生活を送る「Wild Girls」といった、体を張ったリアリティ番組に多く出演し、オーストリアをはじめ、「Wild Girls」が放送されたドイツなどでも注目を集めるようになったのです。

そんな彼女は、オーストリアの放送局ORFの内部選考により、今年のオーストリア代表に選ばれました。
しかし、この決定によりある動きが目立ってきたのです…


〈反LGBTとユーロビジョン〉
ORFが彼女を代表にすると発表した後、彼女を代表にすることがオーストリアにとって恥であると考えた人が、FacebookにアンチWurstのページを作成。そこに31000人の「いいね!」が集まったことが話題となりました。

さらに、ユーロビジョンに参加するベラルーシのテレビ局BTRCが、彼女の出演部分だけカットして放送することを表明。EBUはBTRCの表明に対し、「ユーロビジョンに参加するテレビ局には番組を一切編集せずに放送する決まりがある」と反対しましたが、反同性愛法が制定されたロシアのテレビ局も、ベラルーシに続く動きをみせました。

彼女がユーロビジョンに出場することで、様々な所でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー等の性的マイノリティ)へのバッシングともとれる動きが目につくようになってしまったのです。

このような動きがある中で、彼女は今回のユーロビジョンへの参加について、「私達は、(私自身についてだけでなく)、差別と偏見のない社会のために(ステージに)立ちたいのです」とコメントし、ユーロビジョンのステージで歌うことでLGBTへの理解を広めていきたいという思いを明かしました。

同性愛一つ挙げても、西側では結婚まで認められているのに東側では法で規制するという両極端に分かれてしまっているヨーロッパで、彼女の思いは果たしてどれだけ多くの人に届くのでしょうか?

彼女の注目のステージは、5/8の準決勝二日目です。
こういった裏事情もありますが、彼女の高い歌唱力にも要注目です!


〈ライブパフォーマンス〉

(ユーロビジョン2014 決勝より)


参考:ESC公式、Wikipedia"Conchita Wurst"、NAVERまとめ「凄い美人なのに“違和感”!? オーディション番組で一躍大人気となったコンチータ・ウルストさんって?