ユーロビジョン2016アゼルバイジャン代表は、Samraの「Miracle」 に決まりました。

彼女のパワフルな声に合ったスケール感のあるミディアムバラードナンバーに仕上がっているこの楽曲は、「奇跡」という、ちょっとおとぎ話のようなタイトルでありながら、夢にむかって突き進んでいく一人の人間の強い思いを描いた歌詞に仕上がっています。 

今回のアゼルバイジャン代表楽曲は、内部選考で歌手と楽曲が選定されましたが、楽曲に関しては、国内外から寄せられた400にも及ぶエントリーから選ばれました。 なお、今回の楽曲は、スウェーデンの作曲家が手がけたナンバーとなっています。


〈Samraのプロフィール〉
Samra(本名:Samra Rahimli) は1994年にアゼルバイジャンで生まれました。
アレサ・フランクリンやダイアナ・ロス、ビヨンセなどに影響を受けていた彼女は、やがて歌手を目指すこととなります。

「ユーロビジョンに出場するのが夢だった」と語るSamraは、2012年にユーロビジョンの国内予選に挑戦します。
2011年大会での初優勝を受けて、アゼルバイジャンで初開催されるユーロビジョン。母国代表の座が懸かっていた国内予選に16歳で挑戦した彼女でしたが、惜しくも敗退し、代表の座をSabina Babayevaに譲ることとなりました。
 
Sabina BabayevaWhen The Music Dies」 ユーロビジョン2012決勝より) 

ユーロビジョン代表の座を掴むことができなかった彼女は、その後Azerbaijan State University of Culture and Artsに進学し、歌声に磨きをかけていくこととなります。

そんな彼女に転機が訪れたのは2015年のこと。
Samraは2015年にトルコで開かれたO Ses Türkiye(トルコ版The VOICE)に出場し、決勝ラウンドまで進出したのです。 トルコ版The VOICEといえば、昨年のアゼルバイジャン代表Elnur Huseynovも2014年に挑戦し、優勝していましたね。 

トルコ版The VOICEでは惜しくも優勝を逃してしまいましたが、実はSamraは、同じ年に開催されていたアゼルバイジャン版のThe VOICEにもエントリーしていました。
The VOICEといえば、おなじみのブラインドオーディションですが、彼女は果たして何人の審査員を振り向かせることができたのでしょうか?
 
SamraWrecking Ball(マイリー・サイラスのカバー)」 The Voice of Azerbaijan 2015より) 

彼女の歌声は、アゼルバイジャン版The VOICEの審査員4人全員を振り向かせることに成功したのです。 
アゼルバイジャンでは決勝まで進むことができたのですが、ここでも彼女は優勝の座を逃すこととなってしまいました…

2012年のユーロビジョン国内予選、2015年のトルコ版The VOICEとアゼルバイジャンThe VOICEと、優勝の座を尽く他者に譲る格好となってしまったSamraですが、アゼルバイジャンの放送局ITVは今年のアゼルバイジャン代表を彼女に定め、楽曲のコンペを開催。国内外から寄せられた400曲もの楽曲の中から、内部選考により「Miracle」が選ばれました。


幼い頃からの夢を追い続け、ついにその夢を掴んだSamra。今回の楽曲は、そんなSamraにピッタリの楽曲かもしれません。
ユーロビジョン2016アゼルバイジャン代表Samraは、現地時間5/10に開かれる準決勝1日目に出場します。、


参考:ESC公式[1],[2]、Wikipedia"Samra Rahimli"