ユーロビジョン2016セルビア代表は、Sanja Vučićの「Goodbye (Shelter)」に決まりました。

昨年に続き全編英語詞によるエントリーとなった今作は、強い決意を持って別れることを誓う力強いバラードナンバーとなっています。

なお、この歌にはセルビア語で歌われたバージョンもあり、こちらも聴き応えある仕上がりになっています。


〈Sanja Vučićのプロフィール〉
Sanja Vučićは1993年に、セルビア中部の街クルシェヴァツで生まれました。
父も母も歌手として働く家に生まれたSanjaは、小さい頃から両親に民謡の歌い方など、音楽を教えてもらっていたそうです。

Aretha Franklinやビヨンセのようなソウルフルな歌声を手に入れたかったという彼女は音楽学校に進学し、歌唱力に磨きをかけていきましたが、彼女の学びは音楽学校だけに留まりませんでした。街のジャズバンドにボーカリストとして参加したり、フォークミュージックのバンドに参加したり、聖歌隊のメンバーに加わったり、様々な音楽畑に積極的に飛び込んでいくことで、貪欲に様々な歌唱スタイルを吸収していったのです。

様々な音楽スタイルを吸収する傍ら、Sanjaは様々な言語も習得していきました。英語、イタリア語、スペイン語を流暢に話せるほか、音楽学校を卒業した後に入学したUniversity of Belgrade Faculty of Philologyではアラビア語も学んでいったそうです。

大学でアラビア語を学んでいた2012年のこと、彼女はクルシェヴァツで結成されたミクスチャーバンドZAAのボーカルとして合流することになり、本格的な音楽活動を始めました。
 
ZAA’99 Hope」)

旧ユーゴ圏のみならず、オーストリアやチェコ、ハンガリーなどで合わせて200回以上の公演を行うなど、精力的な音楽活動を行っているZAA。スカをベースにジャズやダブステップ、ポストロックなど様々なジャンルをミックスしたスタイルは、様々な音楽畑で歌声を鍛えていったSanjaにピッタリなバンドと言えるかもしれません。


2016年、セルビアの放送局RTSはSanjaをソロボーカリストとしてユーロビジョン2016に送り出すことを決定しました。
 
Sanja VučićIza osmeha(「Goodbye (Shelter)」セルビア語版)」) 


マルチスタイル・マルチリンガルな歌手Sanja Vučićは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に登場します。
パワフルなステージ、見逃せません。


参考:ESC公式、Wikipedia”Sanja Vučić”、RTS公式(PDF)、ESC Today"Serbia: Sanja Vučić unveils Goodbye