ユーロビジョン2017アイスランド代表は、Svalaの「Paper」に決まりました。
パーカッションの特徴的なリズムが印象に残るイントロからパワフルなサビへ展開するこのパワーバラードは、Svala自身が10代の頃から抱き続けている内面の葛藤と、それをいかに表出するのかをテーマにした一曲です。
「water」や「paper」、「blue」などわかり易い言葉を使っているものの、歌詞で描かれているのは人の内面世界なので、読み解くのになかなかの時間を要します… ユーロビジョンの歌詞和訳をされているブログ「シーラさんの日本滞在記」では、この歌詞を非常に丁寧に読み解いていらっしゃるので、ぜひご覧ください。
〈Svalaのプロフィール〉
Svala(Svala Björgvinsdóttir)は1977年2月にアイスランドの首都レイキャビクで生まれました。
彼女の父親は、ユーロビジョン1995に出場経験もあるアイスランドを代表する歌手Bo Halldorsson(Björgvin Helgi Halldórsson)で、Svalaも7歳の頃から父のレコーディングに参加するなど、父の影響を強く受けて育ちました。
(Bo Halldorsson 「Núna(Now)」 ユーロビジョン1995より)
父とともに歌う日々を送る一方、Svalaは7歳の頃からバレエにも励み、身体的な表現力も養っていきました。
高校の頃から作曲を始めたり、クラブ音楽ユニットを結成したりと音楽活動に勤しむようになった彼女は、18歳の頃にイギリスのプロデューサーIan Morrowの下で本格的な楽曲制作を開始。1999年にアメリカのレーベルPriority Recordsと契約し、メジャーデビューを果たします。
(Svala 「The Real Me」 デビューアルバム「The Real Me」収録曲)
2001年に発売されたアルバム「The Real Me」は米ビルボードチャートでTop30にランクインした他、ヨーロッパやアジア各国でもスマッシュヒットを飛ばしました。
ソロで活躍する一方、Slavaは2006年に現在の夫で、「Paper」の作曲にも関わっているトラックメイカーのEinar Egilssonとその弟Edvard Egilssonと共にハウスユニットSteed Lordを結成。楽曲のレコーディングのみならず、米サンフランシスコで開催されたゲイ・プライドのヘッドライナーとして、50000人の観客の前でパフォーマンスを披露するなど、アメリカやヨーロッパをツアーで回るなど精力的に音楽活動を展開していきました。
(Steed Lord 「123 If You Want Me」)
音楽で活躍の幅を広げる一方、Svalaは北欧のファストファッションブランドH&Mの服飾デザインも手がけ、2007年に世界約100の国と地域に展開しているH&Mで販売されたのだそうです。
2008年に自動車事故で骨を折るなどの重症を負うというアクシデントに巻き込まれてしまったものの、事故からの回復後もツアーやアルバム収録に勤しんだSlavaは、歌手活動のほか、アイスランド版The VOICEのメンターとしても出演し、さらに活躍の幅を広げています。
そして2017年。彼女はソロシンガーとしてユーロビジョンの国内予選に出場し、優勝します。
(Svala 「Ég veit það(私は知っている / 「Paper」アイスランド語版)」 Söngvakeppnin 2017より)
ユーロビジョン2017アイスランド代表Svalaは、現地時間5/9に開かれる準決勝1日目に出場します。
参考:ESC公式、Wikipedia"Svala"、Wiwibloggs"“PAPER” LYRICS – SVALA (ICELAND, EUROVISION 2017)"、シーラさんの日本滞在記"Eurovision 2017 アイスランド代表Svala の Paper 和訳・歌詞解釈と考察"