ユーロビジョン2016ノルウェー代表は、Agneteの「Icebreaker」に決まりました。
トランスの導入部分を思わせる冒頭から徐々に盛り上がりを見せて、このままサビに突入するかと思いきや、大幅にテンポを落としてロックバラードのようなサビが展開されるという、まるで二つの違う曲を一つにつなげたような驚きの楽曲構成になっています。
導入部で緊張感をもたせ、サビでテンポダウンさせて開放感を演出することで、音楽そのもので「Icebreak」を表現していて、とても面白い一曲に仕上がっています。
〈Agneteのプロフィール〉
Agnete(本名:Agnete Kristin Johnsen)は1994年にノルウェー最北端フィンマルク県のネッセビーで生まれました。
この地は先住民族サーミ人が住むラップランドの一地域としても知られており、Agneteもサーミの血を引いています。なお、Agneteの父親はサーミ語の研究を行う児童文学家として知られている方だそうです。
14歳の頃、Agneteは学校の同級生たちとThe BlackSheepsというロックバンドを結成し、音楽の世界に飛び込んでいきました。そんな彼女たちは、結成した2008年に、ノルウェーの青少年向け音楽コンテストMGPjrに出場することに…
(The BlackSheeps 「Oro jaska, beana(静かにして、ワンちゃん)」 MGPjr2008より)
結成した年に挑んだ大会でThe BlackSheepsは見事優勝。その後北欧版ジュニアユーロビジョンMGP Nordic 2008にも出場し、こちらでも優勝するという快挙を成し遂げました。
その後メンバーチェンジを経て、The Blacksheepsは2011年にMGP本選にも挑戦しました。
(The BlackSheeps 「Dance Tonight」 MGP2011準決勝より)
決勝まで残った彼女たちでしたが、結果は惜しくも2位。優勝の座をStella Mwangiに譲ることとなってしまいました。
ノルウェーで人気を誇るロックバンドの一つとして成長したThe BlackSheepsでしたが、その後は印税の未払い問題やバンド名の使用権問題など、法的論争が絶えなくなったため、活動ができない状況に追い込まれてしまいました。
2013年、Agneteは音楽サバイバル番組「Stjernekamp」第2シーズンに出場し、ソロ活動を始めました。
(Agnete 「Super Bass」Nicki Minajカバー Stjernekamp第2シーズンより)
この番組では惜しくも決勝で2位となり、優勝の座を逃してしまいましたが、ノルウェー版「Dansin' With The Stars」への出場やリアリティ番組への出演など、活躍の幅を徐々に広げていき、さらなる人気を呼ぶこととなりました。
そして、2016年。彼女はソロシンガーとして、再びMGPに挑戦しました。
(Agnete 「Icebreaker」 MGP2016より)
決選投票まで残った彼女は、視聴者投票で2位にダブルスコアの大差をつけて優勝。念願のユーロビジョン本選でのノルウェー代表の座を獲得しました。
独特の楽曲構成が印象的な「Icebreaker」を歌うAgneteは、現地時間5/12に開かれる準決勝2日目に出場します。
参考:ESC公式(1)(2)、Wikipedia"Agnete Johnsen","The BlackSheeps" 、MGP公式